6年で150件超の事故が発生。キャンプ・バーベキューで気をつけたい9つのこと

キャンプやバーベキューで気をつけたい9つのことをまとめました。6年で150件を超える事故が発生しており、重傷者も出ています。
熱源のそばにおいてはならないガストーチ
熱源のそばにおいてはならないガストーチ
NITE

アウトドアシーズンを迎え、キャンプやバーベキューなどを楽しんでいる人も多いのではないだろうか。

ただ、ガス製品や着火剤を使う際は、気をつけなければならないことがたくさんある。

実際、過去6年間で150件を超える事故が起きており、重傷者も出ている。

出かける前に必ず覚えておきたい9ポイントを紹介する。

破裂や引火の事故

7月27日に開かれた製品評価技術基盤機構(NITE)の会見によると、ガス製品の事故は2017〜22年度の6年間で154件あった。

特にボンベを装着して火を出すガストーチの事故が多く、154件のうち117件を占めた。

調査が完了した76件のうち、最も多かった事故原因は「漏れたガスに引火」の55件だった。「ガスカートリッジが加熱されて破裂」が13件と続いた。

「漏れたガスに引火」はガストーチで多く、原因は「製品の不具合によるもの」が40件(73%)を占めた。

「ガスカートリッジが加熱されて破裂」はカートリッジガスコンロで多く、原因は「誤使用・不注意」が11件(84%)を占めた。

76件の事故で発生したけが人は、重傷1人、軽傷19人だった。
不適切な利用方法で火災が発生することがある
不適切な利用方法で火災が発生することがある
NITE

製品の不具合、誤使用・不注意

NITEに報告が入った事故事例は次のとおり。
▽製品の不具合
兵庫県の30歳代の女性が2022年11月、インターネット通販で購入したガストーチを使用中、出火してやけどを負った。
ガス漏れを防ぐ部品に欠陥があり、隙間から漏れたガスにバーナーの炎が引火したとみられる。
ガストーチの製造元や販売元の連絡先は不明だった。
▽誤使用・不注意
大阪府の40歳代の男性が2020年4月、炭に火をつけようと、ガストーチを点火したところ、火災が発生。
男性がガス漏れを認識しながらも、そのまま使用したことが原因と見られる。
取扱説明書には、「ガス漏れと思われる場合は火気のない屋外に持ち出し、ガスを全て発散させる」などと記載があった。
▽加熱されて破損
宮崎県で2017年4月、屋外でカセットコンロを使用中、カセットボンベが爆発して6人がやけどを負った。
コンロを2台並べ、その上に大きな鉄板を置いて調理していたため、カセットボンベが加熱して破損したものとみられる。
▽誤使用・不注意
愛知県で2017年8月、10歳代の男性がカートリッジコンロを使用中、破裂して火災が発生。
コンロ全体を風防で囲っていたため、空間の温度が上昇し、ボンベが加熱されて破裂したとみられる。
ブロックで覆うと熱がこもって破裂することがある
ブロックで覆うと熱がこもって破裂することがある
NITE

守ってほしい9つの注意点

事故を起こさないために、NITEは次のような注意を呼びかけている。

・加熱によって破裂する恐れがあるため、カートリッジガスコンロの全体を覆うような鍋や鉄板を使用しない

・ガスボンベの周囲を風防で囲うと、熱がこもって破裂する恐れがある

・カセットコンロの「ごとく」を裏返しにして使用すると、火が内側に回り込んでガスカートリッジを加熱するため、大変危険

・ガストーチやガスカートリッジをコンロや焚き火のそばに放置しない

・自動車内や砂浜、アスファルトなど、直射日光の当たる場所にも置かない

・カセットボンベをつけたガストーチを大きく傾けたり、逆さにしたりしない

・取扱説明書に従う

・着衣着火に注意する

・消毒用アルコールや除菌スプレーも揮発性が高くて引火しやすいため、熱源の近くで使用しない

詳しくは、アウトドアでガス製品の誤使用が多いシーンをまとめたNITEの動画でもチェックできる

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