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子どもの「自転車事故」に注意が必要だ。
自転車で事故を起こすと、大けがにつながる可能性が高く、ある専門機関の調査では7割が重傷事故だった。
さらに、年齢によって事故原因が異なり、0〜4歳は「停車中」の事故が多いこともわかったという。
なぜ事故が起きてしまうのか。幼児が停車中にけがをする理由は何か。
「こどもの日」を前に、親子で考えてほしい自転車の安全な使い方を紹介する。
NITE(製品評価技術基盤機構)によると、2018〜22年に報告があった自転車事故の件数(0〜14歳)は計40件だった。
そのうち、重傷事故は7割を占める28件と、かなり高い確率で大けがにつながっていることがわかる。
重傷の内容は、19件(50%)が「首や腕の骨折」だったほか、「指の切断」が3件、「足腰の打撲」が2件などだった。
子どもの年齢で事故原因に違いがあることも判明した。
0〜4歳の重傷事故は、28件のうち3件あったが、いずれも「停車中にチェーン付近で指を挟み込んだ」ことが原因だった。
そして、3件とも「指の切断」という重傷を負っていた。
具体的な事故事例は次のとおりだ。
「広島県で2022年9月、1歳の子どもが停車中の幼児用自転車のペダルを回転させていた。チェーンとギヤの間に左手指を入れてしまい、切断する重傷を負った」
このほか、走行の有無にかかわらず、幼児用座席ごと自転車が転倒して子どもがけがをするケースが確認された。
5歳〜14歳の重傷事故は、28件のうち25件で、いずれも「走行中」に起きていた。
事故原因で最も多かったのが「前輪がロックされて転倒」の7件。「ハンドルがロックして転倒」が4件、「ペダルが外れて転倒」が3件などと続いた。
前輪がロックした事故の事例としては、千葉県で2021年6月、子どもが自転車で下り坂を走行中に前輪がロックし、転倒して骨折したケースがあった。
前輪の泥よけがタイヤに巻き込まれ、ロックしたとみられるという。
NITEの担当者は記者会見で、「子どもは好奇心の塊。車輪の回転に興味を持つこともあるため、危ないところに触れないように保護者が見守ってほしい」と話した。
そして、年齢別で次の9つの注意点を呼びかけた。
▽0〜4歳
- 子どもが車輪に触れないように見守る
- 幼児用座席に子どもを乗せる時は抱いて行う
- 幼児用座席に子どもを乗せて離れない
- 走行中の後輪に足を挟まれないように、幼児用座席の足乗せ部が壊れたまま使用しない
- シートベルトとヘルメットを着用する
▽5〜14歳
- 走行中は足が車輪や泥よけに接触しないよう、つま先で確実にペダルを踏む
- ハンドルに物をぶら下げて走行しない
- 乗車前にペダルの緩みやブレーキのきき具合を確認する
- 購入して1か月をめどに初期点検を行う