これからの経済
2020年06月22日 17時53分 JST

「子どもと食の問題を、クリエーティブの力で解決する」楽しいからついついやってしまう「社会貢献活動」とは。

孤食、子どもの居場所、女性の就労…さまざまな社会課題につながる「子どもと食」の問題に取り組むノーペコ ラボの軌跡。

クリエーティブを生業としている筆者にとって、これまで社会貢献に関する仕事は、なんとなく避けてきたものですらあった。それは、良い行いは声高に言うことではない、黙って無償でやるべきだという日本人気質にも起因していただろうし、幼い頃から奉仕の精神を第一義とする学校に通っていたため、奉仕活動とビジネスは真逆のところにあると考えてきたからでもある。それが、精神的充足こそが求められるようになってきた昨今、アートの世界でも社会課題の解決や問題提起を基軸とする作品が増え、それこそが若者を中心とする世の中の共感を得るようになり、時を同じくして自分にも、それを自分の本業と結びつけてもやっていきたいという想いが、膨れ上がって来た。

きっかけは、大変な変化の時代に、自分がこれからの半生で本当にやりたいことはなんなのか、社会に一番貢献できることはなんなのか、改めて考えてみたことにあった。そのためにまず、自分のルーツを見直してみた。前述の通りの学校生活に加え、亡き大叔母はフランスでシスターをしていたり、叔母はベトナムで教育支援や就労支援を行なっており、実子の他に沢山の里子を育てていたりした。

叔母が経営するベトナムのSAKURA FRIENDS CAFÉ。

でも、彼女たちは「行動」で、自分は「表現」で自分と人の心に寄り添っていくのだと、これまでは勝手に棲み分けていた。(これまで仕事で多くの歌も作ってきたが、それも、「誰も傷つけないのに、誰をも瞬時に嬉しくしうる」という、心を動かす本当の力強さがあるからだった。歌は、祈りだ。)

でも、今は行動の時代。小さな自分も、心に届けるだけでなく、ついにアクションに携わる時が来たのかもしれない、と思った。だったら、社会に出てから身につけた、「世の中を明るくする表現力」と掛け合わせることで、「いいことだからやる」のではなく、「楽しいからついついやってしまう」社会貢献活動ができないか。そうすることで、良いことに、世の中のたくさんの人を楽しく巻き込むことができないだろうか、と考えたのだ。

しかも、企業も巻き込めば、経済効果により持続可能性が高まる。みんなの幸せも、大きく膨れあがるはずだ。それはつまり、SDGsの達成であった。SDGsの課題の中でも、自分は、一番苦しんでいる人に寄り添う課題を解決したい。そう思って、#1の貧困と、#2の飢餓の課題解決を軸とする、「ノーペコ(ノー、腹ペコ!の意味)ラボ」を立ち上げた。

孤食、子どもの居場所、女性の就労などを含めた、子どもと食に関する諸課題を、企業の課題と絡めて解決していく。想いを打ち明け、賛同してくれた尊敬する先輩(福里真一氏)や後輩有志(古谷萌氏、堀越理沙氏)、4名で始めた。(現在は福島崇幸氏、佐藤大悟氏、今井祐介氏、小林麻里奈氏らを含む11名、支援者は多数。)

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(ラボキャラクター、ノーペコくん。おなかがいっぱいでココロも満たされたオオカミ。ラボオブザーバー福里真一氏企画、ラボAD古谷萌氏デザイン。)

みなと子ども食堂「大門だもん」 on グーグーの日

同時に、よくニュースで見かける「子ども食堂」が気になっていた。子ども食堂とは、子どもやその親、または地域の人々に、無料、もしくは子ども100円、大人300円ほどで栄養のある食事や暖かな団欒を、民間団体、有志、個人で提供している、日本の社会活動だ。2020年現在、全国で3700軒を超えている。

いま世界では、5秒に一人の子どもが餓死し、飽食日本でも、実は7人に一人の子どもが貧困に窮している。また、共働きやシングルマザーの増加により、孤食も増え続けている。子どもの居場所として、孤食の解決にもなる子ども食堂は、ひと学区域に最低でも1軒は必要で、そのためには、21000軒以上、あと6倍の食堂が必要だ。

子ども食堂事務局を訪れ、様々な課題なども伺いながら、近所の子ども食堂を探しては訪れてみた。その中で、港区議会の阿部浩子副議長が経営するみなと子ども食堂は、増え続ける「働くお母さん」の支援も謳っていた。

それは、「子ども食堂がニュースで取り上げられるたび、貧困のイメージがつき、本当に来て欲しい貧困の子どもが恥ずかしくて来にくくなっている。貧困の子どもはもちろん、働くお母さんの支援として、孤食になりがちな子ども(港区では12%の子どもが孤食。実は貧困度も、全国平均と同じ7人に一人)も含めた、子どもみんなの居場所と感じる場所にしていきたい」という考えからであった。

この課題については、子ども食堂事務局からも、子ども食堂全般の課題として伺っていた。ノーペコ ラボは、活動の旗揚げとして、子ども食堂のこの課題を少しでも解決したいと思った。まずは、ラボとしての活動の柱を作るべく、「9月9日は、子どもと食の問題について誰もが考え行動する、グーグーの日。」と制定。みなと子ども食堂を共同発起人に迎え、日本記念日協会にも正式に認定された。

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毎月9月9日を、グーグーの日と制定。以後ひと月の、グーグー月間中、企業も個人も、誰もが  「子どもと食」の問題について考え、楽しく行動する月とする。日本記念日協会に申請、正式に認定。

2019年9月9日当日には、みなと子ども食堂が新設した2号店「大門だもん」(ラボオブザーバー福里真一氏ネーミング)にて、大門だもん店とグーグーの日の、ダブル誕生イベントを開催。イベントの目玉として、直径50センチの「具(グ)ー具(グ)ーだくさんオムライスケーキ」を考案し、三層の美味しいオムライスケーキを、日本を代表するフードスタイリストの飯島奈美氏がご厚意で作ってくださったことで、この記念イベントに参加した約40名の子どもたちの、ココロもおなかも楽しく満たすことができた。

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イベントの目玉、直径50cm、高さ11cmの「具ー具ーだくさんオムライスケーキ」!筆者考案、飯島奈美氏制作。みなと子ども食堂ボランティアの皆さまと。

このイベントの食材は全て、この活動に共感されたいなげやさんがご提供くださった。自宅の近くに好きないなげやさんがあり、立川本社に赴いてご相談させていただいたら、ぜひ参加したいと言われ、イベント当日もお越しいただけた。仕事で担当していたクラシエフーズさんも、知育菓子のお土産をご提供くださった。子どもたちの食事の前には、日本記念日協会による授与式や、自作の子ども食堂の歌に合わせたグーグーダンサーズ(こちらもご厚意で協力いただいているジュエリーキッズプロモーション所属)の楽しい踊りがあり、全国子ども食堂支援センターむすびえ理事長の湯浅誠氏(社会活動家・東京大学特任教授)や港区長代理からコメントもいただき、沢山のボランティアの方々のお力もお借りして、会は大盛況のうちに終わった。

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グーグーダンサーズat大門だもん 佐藤大悟氏振付、古谷萌氏看板その場描き
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福島崇幸氏PR戦略、堀越理沙氏チラシ制作、今井祐介氏店頭他ラボシート制作。

このイベントを通じて、子ども食堂は、「子どもみんなの居場所」として、東京新聞や産経新聞などに記事化された。みなと子ども食堂大門だもんはその後、その活動を朝日新聞でも取り上げられた。子ども食堂の課題、「子どもみんなの居場所」イメージ醸成の、わずかながらでも一歩になったならうれしい。

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左筆者、中央グーグーダンサーズ、右阿部浩子港区議会議員副議長

9月9日からひと月の「グーグー月間」を中心に、世の中を応援する

今年2020年の9月9日のグーグーの日に向けては、ノーペコ ラボは様々な企業に、協業アイデアを提案している。子ども食堂をはじめとする様々な団体や子どもたち、ひいては働くお母さんの元気の素となるためには、企業に有益なアイデアを以って企業のチカラを借りることで、「持続可能な活動」としていく必要があるからだ。

そのためにも、各企業が抱える課題を解決し、新規マーケットを創出し、かつその企業も世の中も、誰もがつい参加したくなるような、楽しいアイデアを提案中だ。(現在は、各企業の商品の新規需要喚起も計算したオンラインイベントを、各企業に提案中。)

筆者が目指すのは、子どもと食の問題をみんなが考え、楽しんで行動するようになる未来だ。そして2030年、世界が定めたSDGsの結果にみんなで貢献することが、このラボの存在意義である。

覚えやすく言の葉に乗りやすいこのグーグー月間を活用して、皆さんにも、ぜひ家族と、仕事仲間と、子どもと食の問題について楽しく考え、リモートの範囲でも、行動していただけたら幸いだ。大変な状況下にあるいまだからこそ、できることがあるはずだ。

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グーグー月間の歌動画を配信中。筆者企画作詞作曲歌唱、佐藤大悟氏編曲振付、大根田英俊氏撮影編集監督。

 

<プロフィール>

電通のラボ:電通 ノーペコラボ

子どもと食の問題を、歌、言葉、デザインのチカラで解決する、CSV企画実践サポート集団。SDGsの目標「#1貧困」と「#2飢餓」に則り、子どもの居場所・孤食・働くママの支援などの課題意識のもと、商品や事業の価値向上につながる新しいビジネスアイデアで、企業と、世の中と、世界中の食のボランティア団体とともに、子どもと食の問題を、楽しく大きく解決していく。

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