世界的トップモデルが希死念慮に苦しんでいたと明かす。20代の頃「私はトンネルの中にいた」

世界的に有名なスーパーモデルのジゼル・ブンチェンさんが、若い頃に苦しんだメンタルヘルスの問題について語っている
METガラに参加したジゼル・ブンチェンさん(2023年5月1日)
METガラに参加したジゼル・ブンチェンさん(2023年5月1日)
ANGELA WEISS via Getty Images

世界的に最も成功したモデルの一人であるブラジル出身のジゼル・ブンチェンさんは、周りからは光り輝いているようにみられた20代の頃、実際はメンタルヘルスの問題に苦しんでいたという。

ブンチェンさんは9月24日放送予定の「CBSニュース・サンデー・モーニング」でモデルとしての歩みを振り返り、その中で若い頃に苦しんだ希死念慮について明かした。

放送に先立ち公開された記事によるとブンチェンさんは、20代の時の経験したパニック障害について「私はトンネルの中にいた」と表現した。

「息ができず、スタジオに来ると息苦しさを感じました。私は9階に住んでいたのですが、エレベーターに閉じ込められて過呼吸になるのが怖くて、階段を使わなければなりませんでした」

「窓が開いていても息ができないと、もうこんな人生は嫌だと感じるのです。どういう意味かわかるでしょうか?」

この言葉に「本気で、飛び降りることを考えたんですか」と尋ねられたブンチェンさんは「はい、一瞬だけですが」と答えている。

ブンチェンさんが経験したメンタルヘルスの問題は、ファッション業界では決して珍しいものではない。

2018年に亡くなったファッションデザイナーのケイト・スペードさんも、うつ病などに苦しんでいた。

夫のアンディ・スペードさんは、「ケイトは長年、うつ病と不安症に苦しんでいました。彼女は積極的に助けを求め、医師と協力して病気の治療に取り組んでいました。この病気はあまりにも多くの命を奪っています」とニューヨークタイムズに送った声明で述べている。

同年に発表されたCDC(アメリカ疾病管理予防センター)の調査によると、アメリカでは1999年から2016年の間に25の州で自殺率が30%上昇している。また、この期間に複数のモデルが自殺している。

ニューヨークで開かれた新刊のお披露目パーティーに出席したジゼル・ブンチェンさん(2003年2月11日)
ニューヨークで開かれた新刊のお披露目パーティーに出席したジゼル・ブンチェンさん(2003年2月11日)
Evan Agostini via Getty Images

ブンチェンさんは2018年のピープルのインタビューでも、20代の頃はパニック障害で「屋根から飛び降りればこれで終わる、もう世界が迫ってくるような感覚を心配しなくてもいいと感じていました」と語っている。

また、ページシックスによると、ブンチェンさんは自身の回顧録でも自殺を考えていた23歳の頃のことをつづり、「その時の私に『すべて大丈夫になるよ、あなたの人生はまだ始まったばかりなんだよ』と伝えたい。だけどその瞬間は、飛び降りることが唯一の答えであるかのよう思えました」と振り返っている。

ブンチェンさんは2006年にNFLのスター選手トム・ブレイディさんと出会って結婚し、ふたりの子どもが生まれた後、2022年10月に離婚した

2023年3月のバニティ・フェアのインタビューで、「彼をいつも応援してきましたし、これからもずっと応援し続けます」と語っている。

「もし、世界で最も幸せになってほしい人がいるとすれば、それは彼です。彼に成功し、困難を克服し、すべての夢を叶えてほしいと願っています」

また、CBSニュース・サンデー・モーニングでは「人生を振り返ってみても、他のどんな生き方も望んでいません」とも語っている。

「他のどんな人生も望んでいません、『人生で何かを変えたいと思いますか?』と聞かれても、何も変えたくはありません」

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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