花粉症で「仕事効率が6~7割以下になる」人が7割。2000人調査で見えた「花粉症と仕事」

ノバルティスファーマが、20~40代の男女2000人を対象に「花粉症が与える業務パフォーマンスへの影響度」に関するアンケート調査を実施。調査結果から見えてきた現状とは?

ノバルティスファーマは、20~40代の男女2,000 人(各1000人)を対象に実施した「花粉症が与える業務パフォーマンスへの影響度」に関するアンケート調査の結果を発表した。

同調査は、新型コロナの流行以降に外出機会が増え、また花粉飛散量の多さも話題となった2023年春の花粉症について探ったもの。実施期間は2023年11月9日(木)〜11日(土)。

花粉症で「仕事効率が6~7 割以下になる」人が7割

まず調査で明らかになったのは、花粉症の症状により、約7割のビジネスパーソンの仕事効率が6~7割以下になっている現状だ。

ノバルティスファーマ

アンケートでは「花粉症の症状が出ているときの自分の仕事効率が6~7割以下」という回答した人の割合が全体の72.4%、また「花粉症症状が辛くて仕事をしたくないと思うことがある」という回答は71.8%だった。低下につながる原因としては、鼻汁(60.6%)、身体のだるさ(51.5%)、鼻づまり(51.0%)、睡眠不足(50.8%)、頭痛(50.4%)などが挙げられた。

花粉症対策については、自身でなんらかの対策をしている人が全体の96.5%で、そのうち「自身の対策では十分ではない」と回答した人が52.3%という結果だった。「花粉症対策にお金がかかることが嫌だ」と感じる人の割合が全体の73.9%と大きく、経済的な課題も深刻なようだ。

職場に最も求めるのは、治療費補助

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仕事効率の低下を改善するため、職場に花粉症対策を求める人も多い。

調査では、職場に花粉症対策を求める人が全体の67.5%、職場が効果的な花粉症対策を行えば業務パフォーマンスの維持・向上につながると考えている人は73.3%だった。

一方で、「現在、勤め先の職場の対策が特に行われていない」という回答は全体の45.7%。職場で今後取り組んでほしい対策として最も多いのは「治療費の補助」(43.3%)だが、既に取り組みがあるという回答は、そのうち15.6%にとどまった。

迫る花粉の季節、2月初旬頃には医師と相談を

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調査設計の監修に携わった岡野光博さん(国際医療福祉大学大学院医学研究科 耳鼻咽喉科学 教授)は、「今や国民の2人に1人が花粉症という状況ですから、企業としては、社員個々人の健康管理という側面はもちろんのこと、個人のパフォーマンス低下が会社全体の業績に影響を与えることも懸念されるのではないでしょうか」と企業に呼びかけた。

また、9割以上の人が何らかの対策をしている一方で、「現状の対策では不十分だ」と考えている人が過半数を超えているという結果については「経済的な面で対策をセーブしていることもありそうです。費用負担が重いと実行に移すのも簡単ではありません」と言及した。

さらに「企業の支援も受けながら早めの対策をおこなうことで多くの人が花粉症の症状を抑えることができれば、患者さん個人にとってはもちろんのこと、企業にとっても、ひいては日本経済にとってもプラスになるのではないでしょうか」とコメント。企業の支援も活用しながら、花粉が飛び始める前の年始から2月初旬頃にはかかりつけ医と相談し、早めの対策を心がけるよう呼びかけた。

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