新型コロナウイルス『お湯を飲んで予防』のデマ拡散。専門家は「常識的に考えてありえない」

「中国語圏の知人・家族から聞いた」として日本のSNSでも拡散しています。
新型コロナウイルスのイメージ写真
新型コロナウイルスのイメージ写真
Anton Petrus via Getty Images

日本国内でも感染が広がり始めている新型コロナウイルスについて「お湯を飲むことで予防できる」としたデマ情報が2月下旬、SNSで拡散している。専門家は「常識的に考えてありえない」と警鐘を鳴らした。

TwitterやLINEなどで「拡散希望」などのタイトルで出回っている情報は「武漢のコロナウイルス研究者が、今回のウイルスは熱に弱い」と主張しているなどの情報を添えた上で、新型コロナウイルスは摂氏57度(26度や36度のパターンもある)で死滅するので、お湯やお茶を飲めば感染を予防できる」というものだった。

台湾や香港など海外在住の知人・親戚から、日本在住者に同様の情報が送られてきたことがきっかけと見られるケースも、多く見受けられた。

さまざまなバージョンがあるが、ハフポスト日本版で確認できた主なパターンは以下の3つだった。

01.「コロナウイルスは57度で死滅する。だから、より多くのお湯を飲みなさい。冷たいものは厳禁!」

02.「コロナウイルスは実は非常に熱に弱いらしい。普段から白湯を飲むようにするとイチコロらしい。36℃前後でいいので楽勝!」

03.「武漢ウイルスは耐熱性がなく、26-27度の温度で死にます。 お湯を飲めば予防できる」

■専門家は「常識的に考えてありえない」と指摘

ハフポスト日本版は、医療ガバナンス研究所の上昌広理事長に取材した。上理事長は、お湯を飲むことで新型コロナウイルスが予防できるというのは「常識的に考えてありえない」として、以下のように話した。

「お湯を飲むことで新型コロナウイルスが死滅し、肺炎を予防できるというのは常識的に考えてありません。ウイルスへの感染は口からだけとは限らないし、たとえ人体の外で熱に弱いとしても、体内で同じになるとは限らないからです。また摂氏26度や36度でウイルスが死滅するのなら、人間の体温が36度付近なので体内に入った時点で死滅するはずなので全く根拠のない話です」

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