中国・東北部にある大連市の公安当局は7月28日、「精神的日本人」、略して「精日」を逮捕したと発表した。
■軍服で写真を...「精神的日本人」
「精神的日本人」とは、主に旧日本軍に強い憧れを示す若者を指す言葉。
中国には、日本文化やアニメ、それにアイドルなどのファンが多く存在するが、こうした一般的な「日本ファン」とは区別されている。
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旧日本軍の軍服や模造銃などのグッズを集めるなど、コスプレを楽しむことが多いとされているが、中国国内の戦場跡地で写真を撮るなどの行為がこれまでも問題視されてきた。
さらに2018年に行われた中国の国会に当たる全人代では、記者会見を終えて退場しようとする王毅外相に対し、現地メディアが「精日についてどう思うか」と質問を投げかけると「中国人のクズだ!」と怒りを露わにし吐き捨てる場面もあった。
■精日漫画を公開し逮捕へ
大連市の公安当局によると、逮捕されたのは36歳の男。2018年1月から、すでに逮捕された女と共謀して、「精日」傾向のある漫画およそ140編をネットで公開したことなどが罪に問われている。
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問題となった漫画の詳しい内容は明らかにされていない。
公安当局は容疑者について、「精日」傾向があり「中国に反抗的な内容を長きにわたって頒布したことで、民族感情を傷つけた」などと糾弾している。
今回逮捕された男が、どの法律を根拠に逮捕されたかについては明確な言及がない。
一方で、中国では2018年5月から「英雄烈士保護法」が施行され、精日行為を取り締まる目的があると報じられている。