太田光さんが映画『おしりたんてい』の声優に。「子ども向けの純粋な"まんが"を」 東映まんがまつりにかける思い

29年ぶりに復活する「東映まんがまつり」で、爆笑問題の太田光さんがゲスト声優として『映画 おしりたんてい カレーなる じけん』に出演。インタビューで語ったこととは。
太田光さん
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HUFFPOST JAPAN

爆笑問題の太田光さんが、『映画 おしりたんてい カレーなる じけん』(以下映画おしりたんてい)にゲスト声優として出演する。

「おしりたんてい」は子どもたちに大人気の絵本シリーズ。「おしり」の見た目をしたユニークな主人公・おしりたんていが謎解きをしながら、事件を解決していくものだ。NHK Eテレでアニメ版も放送されている。

今回の映画は、子ども向けアニメ映画をまとめて上映する「東映まんがまつり」の作品の一つだ。東映まんがまつりは4月26日(金)に公開。1990年以来29年ぶりの復活となる。

子ども時代から「東映まんがまつり」の大ファンで、「このオファーをずっと待っていました」と話す太田さん。映画にまつわる思い出や、現在の子どもが過ごす環境についての考えを聞いた。

太田光さん
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東映まんがまつりの日は、本当にお祭りのような1日でした

ーー「映画おしりたんてい」では、「アルパチ」役のゲスト声優としてご出演されました。作品の魅力はどんなところですか?

まず、お尻が探偵になるっていう発想自体が面白いですよね。推理モノですから。僕なんて横溝正史シリーズが大好きで、犬神家の一族を夢中になって見てましたからねえ。「俺だよ〜スケキヨだよ〜!!」ってね(笑)。それに代わるものがいよいよ出てきたかって感じですよね(笑)。

ーー なるほど。(笑)「映画おしりたんてい」では、クイズや謎解きの要素が盛り込まれています。アニメの表現方法としては非常に新しいですよね。

アフレコのときに観て感じましたが、(クイズや謎解きの仕掛けに)子どもたちは相当盛り上がるんじゃないかな。劇場は大騒ぎになるんじゃないですか。僕が子どものときも、「東映まんがまつり」を見に映画館に行くと、ギャンギャン言いながら観ていたもんね。

昔の映画館では、大人だって「寅さん頑張って!」とか「ヨッ、健さん!」なんて声援を飛ばしたじゃないですか。いつからか「映画は静かに観る」というのが普通になってしまったけれど、やっぱり映画って本来は、観客が一体となって盛り上がる、そういうものなんじゃないですかね。

太田光さん
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ーー「東映まんがまつり」を昔、ご覧になっていたということですね。当時の思い出を教えてください。

本当に楽しみにしていたイベントでした。復活すると聞いて、とても嬉しいなと思いましたし、それに自分が声で出られるのは光栄ですね。

特に心に残っている作品は、「長靴をはいた猫」や「海底3万マイル」ですかね。

東映まんがまつりの日は、本当にお祭りのような1日でした。当時は、親に映画へ連れてってもらうこと自体が、もう本当に特別なイベントで。映画が終わってからも、パンフレットを買って友達と1日中観てましたね。夜も興奮してずっと眠れなくて、気付いたら11時とかになっていて。

子ども時代には、公民館で行われる地域の子ども会とかでもよく映画を観ました。映画が始まる前もじっとしていられなくて、投影機からの光を遮って、手で影を作って遊んでましたね。(映画が始まると)みんなもうワクワク楽しくて仕方ないから、立ち上がって観ている子どももいましたね。後ろの人は見えないからそれで喧嘩になったりもして、本当ににぎやかでした。

太田光さん
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ーーそんな幼少期の映画体験が今の太田さんにどんな影響を与えてるんでしょうか。最近では映画監督のお仕事もされています。

確実にどこかに残って、引っかかっているとは思います。

例えば昔の映画の方が面白かったなと思うこともあります。CGなんかもなくてピアノ線みたいな糸で吊った飛行機が飛んでいるような映画の方が、自分にとっては、どうしてもリアルに見えるんです。下手くそだったり、どっかに仕掛けが見えちゃうってことがあったとしても。

だから、自分が作るものとか書くものとかは、まどろっこしくても、ちゃんと誤魔化さずに作ったものの方が迫力があるなと思っていて、自分もそういうものを作りたいっていうのはあります。

「映画おしりたんてい」は絵がすごく綺麗だと思います。

僕も、子どものとき観た「白雪姫」や「シンデレラ」の色彩の美しさが今でもずっと心に残っています。「おしりたんてい」を子どもたちは無意識に観ると思うけど、そういう映像の美しさは、多分ずっと子どもたちの中に残っていくんじゃないかなって気がします。

太田光さん
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「まんが」は子どものもの。子どもたちに「まんが」を楽しんでもらいたい

ーー「東映まんがまつり」から、子どもたちに何を持ち帰ってもらいたいですか

我々の時代はアニメって言葉がなくて、「動くまんが」でした。「まんが」っていう言葉は完全に子どもが観るもの。

今のアニメは、どちらかというとアニメファンの大人が観るものかもしれない。純粋な子ども向けのアニメっていうのは、僕たちの時代と比べると、少なくなっているかもしれないですね。

だから、子ども向けの純粋な「まんが」ばかりが集められた「東映まんがまつり」は、子どもにとって、とても楽しい経験になると思います。

最近の子どもたちは、スマホの小さな画面でアニメを観たりするんでしょう。テレビで見られない話を、大きなスクリーンで観たら、「わーっ」ってなるだろうし、びっくりするんじゃないかな。それに、知らない他の子供たちがいっぱいいる中でみんなで一体となって観る。それも、とっても新鮮な体験になるんじゃないかと思います。

親も、子どもも、ひとりの人間。

100人いたら100通りの子育てがあり、正解はありません。

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つい眉間にしわを寄せながら、慌ただしく世話してしまう。

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