日本のLGBTQの人たちを撮影し、身近な存在として可視化させることで正しい知識と理解を広げるプロジェクト「OUT IN JAPAN」。
1000人以上のLGBTQ当事者を撮影してきた同プロジェクトの写真展「OUT IN JAPAN SETOUCHI」が香川県高松市北浜アリーの「MARÜTE GALLERY」で9月1日まで開かれている。
「OUT IN JAPAN SETOUCHI」の撮影会は、2018年10月に「瀬戸内LGBTプロジェクト」主催で開かれた。その時に撮影されたポートレート中心とした写真が、今回初めて高松市で展示される。
「瀬戸内LGBTプロジェクト」のメンバー、田中昭全さんは、パートナーの川田有希さんと撮影にも参加した。
今回の写真展について、田中さんは「撮影がすごく良かったので、あの空気を写真展会でちょっとでも感じて帰ってほしい」と語る。
撮影会で出会った地元のLGBTQ当事者たちと再び交流する機会を作るため、写真展の期間中に、スタッフや参加者らで集まる「同窓会」も開くという。
「子供の時にこんなの見れてたら良かったな」
そう語るのは、「瀬戸内LGBTプロジェクト」代表でMTFトランスジェンダーの高野晶さん。今回のポートレートには自身の写真も展示されている。
「数が集めれば集めるほど、力になる。他の人も、もっと力付けられるかもしれない」
■丸亀レインボーパレード
「OUT IN JAPAN SETOUCHI」は、中四国地方で初開催された様々なLGBTQイベントが週間で開かれている「香川プライドウィーク2019」の一貫として開かれた。
8月25日には香川のLGBTQシーンをけん引するメンバーらのトークイベントや、中四国初となった「丸亀レインボーパレード」や交流会が開催された。
8月30日には写真展の会場で、映画の上映会とトークショー開催される。アーティストである田中さんが2013年に監督を務めた作品も上映されるという。最終日となる9月1日にはクロージングパーティーが予定されている。
LGBTQの認知は広がりつつあるが、地方の当事者は抱える課題がまだまだ多いのが現状だ。
田中さんは、香川レインボーウィークを通じて「LGBTQコミュニティー内の繋がりを深める機会になってほしい」と話す。
「友達に当事者がいるとか、家族とか、何かしら縁がある人が来ると思うんですよ。結局そういうところからしか広がらないし、むしろそこから広がる方が健全だと思います」
「香川県の特色として、繋がりを結構大事にするところがあると思うので、その人たちがより親密になる機会になるといいなと思います」