通学路が危険なのは壁だけではない。受動喫煙もだ。

通学路における喫煙所の速やかな撤去を求めたい。
Photo Taken In Germany, Leipzig
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Getty Images/EyeEm

 先週のニュースで印象に残っているのは地震、そして地震に伴う被害、中でも通学路で命を落とした児童についてのニュースである。

 登校中に命を奪われた子供のことは、今回の地震を経験した者としても子育を育てる身としても近い出来事である。

 今回の地震により崩落した壁に関しては、以前から指摘がなされていにも関わらず、手が打たれず、放置されていたと聞くと悔しさは膨らむ。無力な子供たちにとっては登下校の道のりを万全にしてあげるのは大人に課せられた大きな責任である。

 親、教職員と一緒になり、地域の人がボランティアで登下校中の子供たちを見守っている姿には頭が下がる。登下校の道のりの危険はまだまだある。

 先週報道されたもう一つのニュースは、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案を審議する衆議院厚生労働委員会に参考人として出席した肺がん患者に対する「いい加減にしろ」の国会議員によるヤジの問題である。

 実は安全・安心な登下校を脅かしているもう一つの要因は受動喫煙である。

 登下校の児童はもちろん人通りの多い道沿いに関して、個人の意思はもちろん条例などで喫煙場を置かないと決めている所も多くある。しかし敷地内に灰皿を置いてさえいれば問題ないということを盾に、登下校中の子どもたちに受動喫煙をさせる場所も決して少なくない。大人の品格が問われている。

 下記は、とあるコンビニエンスストアの前に小さな字で印刷して貼っている紙の内容である。

 喫煙される方へ、この辺りは、小学校、中学校の通学路です。歩道での喫煙および道路に向かっての喫煙はご遠慮ください!敷地内で店側に向かい喫煙をお願いします!子供たちへの配慮にご協力よろしくお願いします。

 そして、すぐ側を走る通学路に指定されている歩道からして数十センチのところに灰皿が置かれている。張り紙に気づく人はおそらくおらず、気づいても気にすることなく、歩道ギリギリの所で、場合によっては歩道で喫煙していると所の横で子どもたちが登下校している。わざわざ壁に向かって喫煙する者もいなければ、壁に向かって喫煙したところで何の意味もない。

 通学路の側の灰皿であることを、すでに指摘されているのか、それとも誰かに指摘されることを事前に防ぐためなのか、少なくとも責任逃れ、または責任転嫁として貼っているとしか思えない何の意味もなさない紙ペラである。文章に書いていることが本意であるなら、つまり本当に登下校の子供の安全・安心な対して配慮するのであれば、最初からそんな所に灰皿などを置かない。灰皿をわざわざ置いて、吸う環境などを提供しない。

 タバコ生産者、販売者、店舗経営者、喫煙者が我が物顔で自己欲求を満たしている。自ら自粛する気配は感じない。それに対して行政、教育機関、地域住民が動いているか動いていないかわからないが、結局のところ、大人たちによって子どもの通学路の安全・安心を奪われている。しかも大人によって通学路は固定されている以上、子どもたちがそこから逃げることも出来ない。

 弱者に、特に子供に思いを馳せれない自分勝手な大人たち。これが日本人の文化力なのか。私などに言わせるとこれはこの国の残念な部分でもあり、勿体無い部分でもあり、この上ない醜い景色でもある。

 まずもって通学路における喫煙所の速やかな撤去を求めたい。

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