毎日3食、作り続けてヘトヘト…。「何が食べたいか」すら浮かばないあなたに贈る5つのヒント

自分の料理の味に飽きてしまった。そんな時、再び「食欲スイッチ」をオンにするには?

新型コロナの影響で自粛生活が始まって約2カ月。まだスタートしてまもない4月の頭くらいの頃は、「時間がある今こそ手間暇かけた料理をしよう!いろんな料理を試そう!」と意気込み、コロッケを作ったり、自家製の胡麻豆腐を作ったりと、時間があるときにやってみたかった料理を片っ端から試していた、自炊料理家の私。毎食何を作るか考えるのが楽しくて、家族の反応も上々でした。

そんな気持ちに陰りがでてきたのは二週間たった頃。普段ならあり得ないのですが「何食べたいかわからない……」と思うように。それまで気張っていろいろと作りすぎて、自分の作る料理の味に飽きてしまったのです。

料理好きの私でさえ1日3食、毎食作るのがしんどいのだから、日頃から頑張って料理しているお家のご飯担当の方はかなりツライ状況なのでは? と思いました。

そこで3食作り続けて自分の味に飽き、何を食べたいのかわからなくなってしまった私が実践した「食欲スイッチを再び押す5つ方法」をご紹介します。なにかしらみなさんのお役に立ったら幸いです。

まずは、テイクアウトをフル活用する

筆者提供

まず簡単に、そして手軽に実践できるのが好きな飲食店のテイクアウト。最初は新型コロナ感染拡大防止の営業自粛の呼び掛けで、打撃を受けたお店の応援の意味合いで買いに行っていましたが、自分でつくるのがしんどくなってきた頃に食べるプロの味は格別でした。

特にスパイスや香り高い調味料が特徴的な中華料理やカレーなどは、自分では作れない外食らしさが感じられ、何度も救われたことか。

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テイクアウトした酢豚の黒酢ダレを取っておいて、翌日、揚げたじゃがいもに絡めて食べるなど、外ごはんと家ごはんのコラボレーション料理も楽しめます。

近所のお店のテイクアウトだけでなく、電車でないと行けないお気に入りの店も通信販売をはじめていて、家で楽しめるところも多いです。飲食業の人たちの工夫と人を楽しませたい気持ちには心底感動します。

私が通う馬喰町のイタリアン「ともすけ」はラザニアの通信販売を始めた。
筆者提供
私が通う馬喰町のイタリアン「ともすけ」はラザニアの通信販売を始めた

②組み合わせは一切無視! とにかく食べたいものを買う

は飲食店のテイクアウトでしたが、それ以外にも私たちにはスーパーやパン屋など心強い仲間がいます。「何が食べたいか、わからない…」とどこかに行ってしまった食欲を呼び起こす気持ちで、とりあえずはスーパーに行って、目があった食べたいものを買うのもおすすめです。

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例えば、これは先日の私の昼ごはん。アジのお刺身、エビのパック寿司、メンチカツバーガーという全く脈絡のないメニューが並びました。スーパーに行ってみたら、「久しぶりに寿司が食べたい」!という気持ちがムクムクと湧いてきくたのと、帰り道によったパン屋で自分では作れないがっつり系のパンが食べたくて買いました。

献立を考えるときは、和食系、洋食系などの枠組みをまず考える方が多いと思います。でもいまは非常事態です。いつもの枠組みは完全に無視して、その時食べたいものを素直に食べるのが大事なのです。特に一人暮らしの方は誰に見せるわけでもない家の食事ですから、好きなものを食べましょう。

パートナーやお子さんと一緒に予算を決めてゲーム感覚で買いものに行くと、お互いに新しく好きなものが見つかって、思わぬ楽しさが発見できるかもしれません。

③実験!いつもの食材を食べ比べ

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お店のテイクアウトは楽しいし、応援になるものの毎日続けていたらお財布が寂しくなってしまいますよね。そんなときに私が実践したのが、毎回なんとなく選んで買っている食品を食べ比べる実験。

家族で4社の木綿豆腐をブラインドで食べ比べてみたのですが、それぞれ食感や味わいが明らかに違って驚きでした。比較的高かったものが個人的にはイマイチだったり、一番安いものがおいしかったりと先入観だけで判断せずに味だけで比べてみると発見が多かったのです。それ以外にも、冷凍食品の唐揚げや餃子などの食べ比べも楽しいはずです。

④普段あまり作らない料理のレトルト食品や半既製品をフル活用

自分の味に飽きてしまう理由は、自分や家族にとって「おいしい味」にできる食材の組み合わせや味付けを習慣的に選んでしまうから。それが悪いわけでは全くありません。いつもなら、安心できる、その家ならではの味で良いのですが、毎食となると飽きてしまうのが正直なところ。

それであれば、普段なら一から作らない酸辣湯をレトルトパックを使って作ってみたり、野菜以外の乾物や調味料が一式入ったパッタイ(タイ風焼きそば)セットを買ってみるのもおすすめです。

中華料理やエスニックは使う調味料の数が多く、買ったはいいものの一瓶使いきれないこともあります。だから、なかなか家で作ることがないという方も多いのではないでしょうか? 気分を変えるために一度作ってみたいだけならばレトルトやキットを使うといいでしょう。

⑤思い切って粗食に

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最後の提案は「粗食」です。

例えばおかゆやおじやなど、風邪のときに食べるもような薄味で、具材の少ないメニューを食べ続けて、再び食欲が戻ってくるまで待つ、というのも一つの手ではないでしょうか。

私は普段外食が続いてしまったときに、あえて数日間おかゆ生活をすることがあります。素朴な味を食べ続けていると、体が味の濃いものだったり刺激物が食べたいと感じるようになります。そうしたらまた普段の食生活に戻せば良いのです。

外食がしづらい今、家で3食べることが中心になっていて、献立を考え、調理する料理担当も「晩ご飯何食べたい」と聞かれる方も大変だと思います。でも工夫次第で飽きないように食欲と程よく付き合うことはできます。自粛生活が間もなく明けることを願って、非常時のおうちご飯を楽しみましょう。

(編集:榊原すずみ