スーパーチューズデーとは? アメリカ大統領候補者選びのヤマ場と呼ばれるワケ

全米で最大の人口を有するカリフォルニア州など、多くの州で予備選・党員集会が行われる。
スーパーチューズデーを前に、カリフォルニア州で選挙キャンペーンをするバーニー・サンダース氏の様子 2020年3月1日 ロサンゼルス
スーパーチューズデーを前に、カリフォルニア州で選挙キャンペーンをするバーニー・サンダース氏の様子 2020年3月1日 ロサンゼルス
David McNew via Getty Images

2020年3月3日は「スーパーチューズデー」(決戦の火曜日)。

アメリカ大統領選候補者選びの最大のヤマ場となるため、アメリカ中で大きな盛り上がりを見せている。

ところで、「スーパーチューズデー」って何?

スーパーチューズデーとは?

スーパーチューズデーとは、大統領選挙のための予備選もしくは党員集会が、最も多くの州で行われる火曜日のこと。つまり、より多くの投票が行われるゆえ、結果が今後を大きく左右するため、重要なヤマ場とされるのだ。

スーパーチューズデーという言葉が最初に使われたのは1980年。この時は、アラバマ州、フロリダ州、ジョージア州で同じ日に大統領予備選挙が行われた。

アメリカの公共ラジオ「NPR」によると、現在のように更に多くの州で予備選や党員集会が同日に行われるようになったのは、1988年だという。より穏健な民主党の候補を選びたかった南部のいくつかの州が、民主党予備選を同じ日に開催したのだ。

しかし、この目的は果たされなかった。テネシー州選出の上院議員アル・ゴアとジェシー・ジャクソンが票を分け合い、結局マサチューセッツ州知事のマイケル・デュカキスが候補者に選ばれた。


どの州で開催されるの?

3月3日のスーパーチューズデーには、全米で最大の人口を有するカリフォルニアを含む14の州と、海外領土(サモア)、海外在住の民主党員による投票が行われる。以下がリストだ。

スーパー・チューズデー
スーパー・チューズデー
HuffPost Japan

1.アラバマ
2.アーカンソー
3.カリフォルニア
4.コロラド
5.メイン
6.マサチューセッツ
7.ミネソタ
8.ノースカロライナ
9.オクラホマ
10.テネシー
11.テキサス
12.ユタ
13.バーモント
14.バージニア
15.サモア
16.海外在住の民主党員

注目候補は?

現在最も有力と見られているのは、リベラル主義のバーニー・サンダース氏。これまでの予備選で、ネバダ州とニューハンプシャー州を制している。多くの世論調査でも1番人気を誇っており、スーパーチューズデーでも良い結果が予測されている。

それを追うのが、2月29日に行われたサウスカロライナ州の予備選を制した中道派のジョー・バイデン氏。オバマ大統領のもと、副大統領として8年の経験がある。

予備選初戦で勢いを見せた38歳のピート・ブティジェッジ氏、そしてエイミー・クロブシャー氏もスーパーチューズデーを前に撤退を表明し、現時点の民主党候補者は5人。夏の党大会に向けて勢いを増すのは誰か。スーパーチューズデーの結果に注目だ。

現在、民主党最有力候補とされるバーニー・サンダース氏
現在、民主党最有力候補とされるバーニー・サンダース氏
David McNew via Getty Images

大統領選挙の仕組み 〜主な3ステップ〜

2020年のアメリカ大統領選の投票日は11月3日。

しかし、アメリカの大統領選のプロセスは、非常に長く、複雑だ。

現在行われている予備選挙とは何なのか?その後には何が続くのか?主な3ステップをおさらいしよう。

アメリカ大統領 ドナルド・トランプ氏 彼に挑む民主党候補は誰になるのか?
アメリカ大統領 ドナルド・トランプ氏 彼に挑む民主党候補は誰になるのか?
ASSOCIATED PRESS

・予備選挙と党員集会:2月〜6月

アメリカは共和党と民主党による二大政党制。夏の全国党大会で、それぞれが、党の代表となる大統領・副大統領候補を決める。そこに向けて、候補を固めていくプロセスと言えるのが、予備選挙と党員集会だ。


夏の全国党大会に出席する一般党員の州の代表となるのが「代議員」。予備選挙・党員集会では、一般党員が支持する候補者を選び、その候補者の支持を表明している代議員を間接的に選出する。


予備選挙と党員集会のどちらで代議員を選ぶかは州ごとに異なっているが、今は予備選挙が一般的。予備選挙は通常の選挙のような方法で、党員集会は政党主導で行われる議論を経て、投票で決められる。

・全国党大会:7〜8月
この予備選挙や党員集会で選ばれた代議員が、共和党と民主党の大統領および副大統領の公認候補を指名する集まりが全国党大会だ。

・大統領選挙 投票日:11月3日
2020年の選挙で、一般の有権者が投票するのが、この11月3日。これで事実上、次期大統領が決まるが、実際は有権者の声を代弁する「選挙人」という人たちがおり、彼らが一般投票の結果を受けて後日改めて投票する仕組みとなっている。

選挙人は各州の人口などによって割り当てられていて、合計で538人。例えば人口の多いカリフォルニア州は55人、逆に少ないモンタナ州では3人といった具合だ。殆どの州では、勝った候補がその州の割り当て数を総取りする。最終的に、アメリカ全土で選挙人の過半数を得た候補者が当選する。

この選挙人制度によって、前回選挙では、一般の総得票数ではヒラリー候補のほうが多かったにも関わらず、トランプ大統領が勝利した。それはトランプ氏が選挙人が多く激戦の州で勝利したことによる。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しました。

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