新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、企業などでテレワークや在宅勤務の導入が増える中、大学生の新卒採用活動にも影響が出ている。
株式会社 USEN-NEXT HOLDINGSは、グループの新卒採用で会社説明会から最終面接までのすべての選考プロセスをオンラインで実施すると発表した。
同グループは、2018年からすでにオンラインのプラットフォームを活用した面接を取り入れていた。
移動時間やコストの面でより負担の大きい地方で学ぶ学生の採用機会を確保するのが元々の狙いで、スマホひとつで選考を受けることが可能な方法を実施してきた。
そのノウハウが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、不要不急の控えるよう呼びかけられる中での就職活動にも活きた。
会社説明会に関しては「Online Seminar(WEB説明会)」という形で行い、時間や場所に制限されずに視聴可能にし、選考に関しては、動画投稿による選考やLIVEチャット面接に移行することで、学生が面接に来ることで生じる感染リスクを無くすという。
広報担当者は、「感染リスクがあるという不安の中で、わざわざ来社して面接に臨んで欲しくない。やはり我々企業側がしっかりと学生の安心・安全を確保した上で、臨んでいただくのが最良だと思います」と話す。
同社の執行役員コーポレート統括部長の住谷猛さんは、現状の就職活動の問題点について、「面接にやってくる学生にとっては、わざわざ会社に来社する時間だったり、面接と面接の合間に待つ場所の確保が必要だったりと不効率さがある。それを解消すべき」と指摘。
「面接に臨む学生の皆さんが不平等にならないように、今年の面接採用は“すべて”オンラインで行います。なので、不安を感じないで欲しい」とした上で、オンライン面接の印象について、「2018年から実施してきて、学生さんも年々慣れてきているという印象があります。実際今年の春に入社する社員の中には、すべてオンライン選考で内定した人もいます」と明かした。
同様の取り組みは、ネット企業のGMOでもすでに実施していて、4月1日の入社式についてもオンラインで行うことが決まっている。
新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、テレワーク実施などで仕事環境が変わりつつある中、就職活動も新たな手法を検討する段階にきている。