「日本のアニメ『図書館戦争』と同じことが起きるなんて」香港の図書館、民主派の書籍を貸出停止に

「日本のアニメ“図書館戦争”の内容が、まさか香港で起きるなんて」(黄之鋒氏)

中国政府への分裂行為などを禁じる「国家安全法」が施行された香港で、民主派の書籍が図書館で借りられなくなっている。貸出停止とされた本の著書は「まるで日本のアニメのようだ」と嘆いている。

香港の図書館。民主派の一部の書籍が撤去された(Photo by ISAAC LAWRENCE / AFP) (Photo by ISAAC LAWRENCE/AFP via Getty Images)
香港の図書館。民主派の一部の書籍が撤去された(Photo by ISAAC LAWRENCE / AFP) (Photo by ISAAC LAWRENCE/AFP via Getty Images)
ISAAC LAWRENCE via Getty Images

■調べてみると...

貸出停止とされたのは、香港の民主派議員・陳淑荘(タンヤ・チャン)氏や、解散した民主団体「デモシスト」の元幹部・黄之鋒(ジョシュア・ウォン)氏らの著書。

試しに香港の公立図書館の蔵書検索サイトで、黄氏が出版した「我不是細路(私は子どもではない)」の貸し出し状況を調べてみると、ヒットした28施設すべてで「審査中」と表示され、借りることができなくなっていた。

蔵書検索サイトの結果。「覆検中」は審査中を表す。
蔵書検索サイトの結果。「覆検中」は審査中を表す。
香港公共図書館公式サイトより

黄氏は自身のフェイスブックで、「白色テロ(反政府勢力への弾圧)が広がっている」と指摘し、「日本のアニメ“図書館戦争”の内容が、まさか香港で起きるなんて」と嘆いた。

「図書館戦争」は有川浩さんの小説で、アニメ化もされている。公序良俗を乱す本を取り締まる「メディア良化委員会」と、検閲に抵抗する図書館の戦いを描いた作品だ。

朝日新聞デジタルによると、香港政府はこうした措置について、蔵書が国家安全法に抵触しないか、図書館側に審査させていると説明しているという。

国家安全法は6月30日深夜(現地時間)に施行され、政府への分裂・転覆行為、テロ活動、それに外国勢力との結託を禁止している。

注目記事