新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
2020年07月22日 11時45分 JST | 更新 2020年07月28日 12時28分 JST

藤井聡太棋聖の「絹マスク」が話題。苦境下の製造会社、1日8000件の注文に「頑張る励みになりました」

対局で着用し話題となった絹のマスクは福井県坂井市の「小杉織物」のものだった。現在は予約を受け付けている。

時事通信社
最年少でタイトルを獲得した藤井聡太新棋聖=7月16日午後、大阪市福島区の関西将棋会館

史上最年少で将棋タイトルを獲得した藤井聡太棋聖が、対局で着用したマスクが話題だ。

白地に市松模様が入ったそのマスクは、福井県坂井市の帯製造会社「小杉織物」が開発した「夏用涼やか絹マスク」。代表取締役社長の小杉秀則さんは、ハフポスト日本版の取材に対し、「ピーク時には1日8000件ほどの注文があります」と話す。

 

絹素材を活用してマスク作りに

同社は、浴衣帯を主に製造していたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け需要が落ち込み、売り上げは厳しい状況が続いていたという。花火大会や夏祭りの開催が中止となったことの打撃も大きく、一時は従業員を休ませていた。

「物づくりの会社なのに、作るものがなくなってしまった」。そう感じた小杉さんは4月に、帯に使う自社素材を活用してマスクを製造することを決めた。

絹の素材などが注目を集め、1週間で5万枚の発注があり、その後20万枚まで注文が伸びたという。しかし、その後は多くのメーカーがマスク製造に乗り出し、マスクの供給が増えたことで、注文の数が減っていた。

7月16日、藤井聡太棋聖が対局で同社のマスクを付けていたことが、SNSを中心に話題に。再び、注文や問い合わせが殺到するようになった。小杉さんは「マスクの紋様や耳掛け部分のゴムから、うちの製品で間違いないと確信した」という。 

「袴姿にお似合いになられており、とても嬉しかったですし、大変ありがたいです。物づくりを頑張れば、こういう縁に繋がっていくのだなと感じました。ただ、このマスクが話題になることで、藤井棋聖が対局に集中する邪魔になってはいけないという気持ちもありました。私たちとしては、また帯が織れるようになるまで、頑張って続けて行こうという励みになりました」

小杉さんは、10時間を超す対局を見て、新モデルのヒントを得たという。「長時間マスクをつけていても不快さを感じないよう、快適さを求めて改善できる部分があるのではと思いました。早速その日の夜に新モデルを試作しました。新商品はいずれ発表できればと思います」。

通販サイト「itokala by小杉織物」より
予約を受け付けている、藤井棋聖着用のマスク

予約方法は? 

多くの注文を受け、7月21日に同社の通販サイト「Itokala by小杉織物」では一時販売が中止となった。藤井棋聖が着用した「夏用涼やか絹マスク」など、一部の商品の予約を受け付けている。

Sサイズ、Lサイズ、標準サイズの3種類があり、一枚の税込価格が1980円(7月22日時点)。

「夏用涼やか絹マスク」は、絹で作られており、通気性や吸湿・放湿性、調温性などに優れているという。小杉織物の「特殊メッシュ織」技術を使用し、多重構造と高密度不織布フィルター入り。ノーズワイヤーも入っているので、鼻にフィットし、耳掛け部分には、当社で織っているソフトゴムを使っているという。