アートとカルチャー
2020年12月07日 17時01分 JST

Netflix、イギリス政府からの「異例の要請」を拒否。王室を描いたドラマ、「フィクション」表記めぐり

『ザ・クラウン』のシーズン4では、チャールズ皇太子とダイアナ元妃の出会いや結婚生活などが描かれている。

Netflix
ジョシュ・オコナー演じるチャールズ皇太子と、エマ・コリン演じるダイアナ妃

Netflixで配信されているイギリス王室を題材にした歴史ドラマ『ザ・クラウン』をめぐり、イギリスのオリヴァー・ダウデン文化相が、免責事項を追加し、ドラマがフィクションであることを明確に示すよう求めていた。

Netflixは、この要請に対し、「免責事項を追加する計画はなく、その必要もありません」と拒否。「視聴者は、ドラマがフィクションであると認識していると、我々は確信している」と主張した。

 

『ザ・クラウン』とは?

『ザ・クラウン』は2016年よりスタートしたNetflixのオリジナルドラマシリーズで、欧米を中心に高い人気を誇り、多くの視聴者を抱えている。

イギリス王室を中心に、エリザベス女王の治世や政治、また王室の恋愛・結婚などプライベートな部分についても描いている本作。

2020年11月に配信が始まったシーズン4では、1970年代後半から1990年までが舞台。エリザベス女王の長男であるチャールズ皇太子とダイアナ元妃の出会いや結婚生活を通し、ダイアナ妃が王室の人々から冷たく扱われ、過食症で苦しみ、チャールズ皇太子以外の男性と関係を持つシーンなどもある。

また、マーガレット・サッチャー元首相も登場し、エリザベス女王と「不仲」の関係にあることを示唆する描き方になっている。

AP通信によると、Netflixは声明で、「私たちは『ザ・クラウン』を常にドラマとして発表してきました。視聴者は、これが歴史上の出来事に広く基づいたフィクション作品であると理解していると確信しています」と主張。「免責事項を追加する計画はなく、その必要もありません」としている。

 

イギリス文化相やダイアナ元妃の兄弟の主張

このNetflixの声明は、イギリスのオリヴァー・ダウデン文化相のDaily Mailでの発言を受けてのもの。

ダウデン文化相は、「この作品は美しく作られたフィクション作品です。つまり、他のテレビ番組と同様に、Netflixは最初にそう明示すべきです」と、Daily Mailの取材に対し語った。

「これらの出来事が起きた当時生まれていなかった世代の視聴者が、フィクションを事実だと誤解する可能性を危惧している」とし、Netflixに近く手紙を送る考えであることを明らかにしていた。

また、ダイアナ元妃の兄弟であるチャールズ・スペンサー伯爵も、イギリスのITVの取材で、『ザ・クラウン』への懸念を示していた。

「私が心配しているのは、人々がこの番組を見て、それがフィクションであることを忘れていることです」

「『ザ・クラウン』を見たアメリカの人たちは、この作品で歴史を学んだかのように思い込んで、話してくるんです」

 

「真実と正確さのどの地点に立っているのか」

『ザ・クラウン』の原案・脚本を務めるピーター・モーガン氏は、王室の生活を脚色する際に注意すべきことについて、インタビューなどでたびたび明かしてきた。

2018年にはハリウッド・レポーターの取材に、「実在の人物や出来事に基づいたドラマをつくるときは、真実と正確さのどの地点に立っているのか、そしてその責任についても常に自問する必要があります」と語っている。

また、作品のリサーチャー・チームは、あらゆるシーンにおいて真実を正確にとらえるため、骨の折れるような努力をしているとも明かした。

次回シーズン5は、2021年に制作を開始する予定。キャストは新しく更新され、シーズン1〜2のクレア・フォイ、シーズン3〜4のオリヴィア・コールマンから引き継ぎ、イメルダ・スタウントンがエリザベス女王を演じる。  

 

この記事はハフポストUS版の記事を翻訳・編集・加筆しています。