FNS歌謡祭で花總まりが『エリザベート』を歌唱。“伝説” と呼ばれる理由とは

花總さんが主演を務めた東宝ミュージカル『エリザベート』と『マリー・アントワネット』から2曲をメドレーで歌唱する。
田代万里生(左)、花總まり(中)、山崎育三郎(右)
田代万里生(左)、花總まり(中)、山崎育三郎(右)
東宝提供

12月9日に放送される「2020FNS歌謡祭 第2夜」(フジテレビ系、午後6:30~)で、ミュージカル俳優の花總まりさん(47)が出演する。数々の大作ミュージカルで主演を務めてきた花總さんだが、意外にもFNS恒例のミュージカル特集などの歌番組に出演するのは初めてという。

番組では、花總さんが主演を務めた東宝ミュージカル『エリザベート』と『マリー・アントワネット』から2曲をメドレーで歌唱。新型コロナの影響で公演が中止となったミュージカル『エリザベート』からは、初のトート役として出演予定だった山崎育三郎さんとの幻のデュエット『私が踊る時』を披露する。

宝塚トップ娘役として、歴代最長の12年

悲劇の王妃マリー・アントワネット、孤高のエリザベス女王、自由を求め続けた皇后エリザベート、絶世の美女トゥーランドット姫、そして額田女王…。

気品のある女性の役を演じたら右に出る者はいないと言われる花總さん。

1991年に宝塚歌劇団に入団。男役が重視されがちな宝塚歌劇団でトップ娘役を歴代最長の12年務め、「伝説の娘役」「女帝」などの異名もとった。

相手役もそうそうたる顔ぶれだ。一路真輝さん(1994〜1996)、高嶺ふぶきさん(1996〜1997)、轟悠さん(1997〜1998年)、姿月あさとさん(1998〜2000)、和央ようかさん(2000〜2006)。

歌、芝居、ダンスと三拍子揃った娘役として、宝塚の人気を支え続けた。

宝塚歌劇の代表作『ファントム』の初演でヒロインを務めたのも花總さんだった。(左から)安蘭けいさん、和央ようかさん、花總まりさん、樹里咲穂さん=2004年2月、都内ホテルでの制作発表
宝塚歌劇の代表作『ファントム』の初演でヒロインを務めたのも花總さんだった。(左から)安蘭けいさん、和央ようかさん、花總まりさん、樹里咲穂さん=2004年2月、都内ホテルでの制作発表
時事通信社

『エリザベート』と共に歩んだ四半世紀

いまや宝塚や東宝を代表するミュージカル作品に成長した『エリザベート』の日本初演でタイトルロールを演じたのが、当時23歳だった花總さんだった。

当時雪組トップスターだった一路さんの退団公演として上演された初演の宝塚版は、男役トップが演じる「トート」を主演に潤色・演出。一路さんのトート、轟さんのルキーニと共に、本場ウィーンの製作陣からも高い評価を得た。

その後、1998年には再び宙組でエリザベートを再演。「エリザベート」は花總さんにとって宝塚12年の「代表作」となった。

退団後はしばらく表舞台から距離を置いていた花總さんだが、2015年に東宝ミュージカル『エリザベート』で主演。

宝塚時代とは演出も解釈も異なるエリザベートの生き様を、圧倒的な存在感で見事に演じ、読売演劇大賞の優秀女優賞、菊田一夫演劇賞の大賞を最年少で受賞した。

その後、翌2016年、2019年に花總さん主演で再演された東宝『エリザベート』のチケットは、入手困難なプレミアチケットに。

宝塚時代からより磨き上げられた歌唱力や演技力に加え、違和感を抱かせない少女時代の演技も印象的。幻となった2020版は、長年ルキーニ役を演じていた山崎さんとの初コンビのはずだった。

3人のコメントは以下の通り。

・花總まりさん

初めての FNS 歌謡祭でしたのでとても緊張いたしました!舞台とはまた違った雰囲気の中でのデュエットを皆様に楽しんでいただければと思います。

・山崎育三郎さん

今回も FNS 歌謡祭でミュージカル楽曲を歌わせて頂くことに感謝します。今年コロナの影響で公演中止となってしまった「エリザベート」から『私が踊る時』を花總まりさんと歌います。上演が叶わなかった想いとこの作品の魅力を花總さんと共に歌い上げたいと思います。

・田代万里生さん

現場では常に育三郎がリードしてくれて、FNS 初参加同士の花總さんと共に、
夢のようなゴージャスなセットで一発 OK のメドレー収録となりました!この曲を初めて聴かれる方もお楽しみください。

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