真ん中の私たち
2021年01月19日 13時58分 JST | 更新 2021年01月28日 20時22分 JST

新型コロナ変異株の持ち込みをどう防ぐか。外国人や帰国者の水際対策、現場の対応は?管轄者に聞く

外国人の入国に際して例外となる「特段の事情」とはどんな場合なのか、入国管理を管轄する出入国在留管理庁に聞いた。

新型コロナウイルスの感染が国内で初めて確認されてから1年が経過した。未だ収束の兆しはなく、最近では、イギリスやブラジルなど海外から帰国した人から「変異株」の感染が確認されたという報告が相次いでいる。

このような事態を受け、政府は11の国と地域で実施しているビジネス関係者らの往来を停止する方針を固めた。外国人の日本への入国を全面的に制限し水際対策を強化することで、新たなウイルスの持ち込みを防ぐ狙いだ。

日本への入国者がウイルスを持ち込むリスクに対し、現場はどのような対応を取っているのか。ハフポスト日本版は入国管理を管轄している出入国在留管理庁審判課の法務専門官に話を聞いた。 

時事通信社
日本政府による米国からの入国制限発動で、検疫官とやり取りをする人=2020年3月26日、千葉・成田空港

外国人への入国は『特段の事情』がない限り拒否。例外となるケースとは?

新型コロナウイルスの日本国内での感染者の数は、累計で30万人を超え、2020年12月下旬からの3週間余りで新たに10万人の感染が確認された。

出入国在留管理庁の公表資料によると、政府がビジネス関係者らの往来を停止する方針を固めたことで、日本では全世界を対象に「上陸申請日前14日以内に152の国・地域に滞在歴のある外国人については『特段の事情』がない限り上陸を拒否する」こととなった。

外国人については、出入国管理及び難民認定法に基づき審査をし、例外として認めた場合に限り入国を許可している。

この対応について、ネット上では「厳しい措置を取らないと、いつまでもウイルスが入ってきてしまうのでは」などの疑問の声も上がった。

外国人の入国に際して例外となる「特段の事情」とは何を指すのか。同資料によると、以下の4つが示されている。

①必要な防疫措置を確約できる受入企業・団体が本邦にあるもの

 

②再入国許可(みなし含む)による再入国

 

③日本人・永住者の配偶者又は子の新規入国

 

④その他人道上の配慮の必要性がある場合 など

 

資料:新型コロナウイルス感染症の感染拡大に係る上陸拒否措置等及び国際的な人の往来の再開の状況(概要)より ※令和3年1月13日時点

「人道上の配慮」 具体的なケースは?

中でも4つ目の項目では「人道上の配慮」という説明がやや抽象的だ。具体的にどのような事例を想定しているのか。

同庁審判課の法務専門官に聞くと「特に家族が分断してしまうケースなどがこれに当てはまります」と説明した上で、このように続ける。

変異種の持ち込み・感染が確認されてから国民の皆様の水際対策に関する見方も特に厳しくなっていると感じています。

 

「まだ外国から人が入ってきているじゃないか」といった指摘や不安は常に私共の耳にも確実に届いておりますし、承知しています。

 

出入国に関して、ビジネストラックとレジデンストラックを抑えたら、あとは何に対して対応が必要なのか?という疑問があるかと思いますが、それがまさに「特段の事情」に該当するものです。

 

個人情報になるので詳しくお伝えすることは難しいですが、これまでに実際にあった例としては、「末期の癌など病気の治療のため、海外ではなく日本の医療機関で治療を受けたい」などという申し出のほか、家族など親族や身内が危篤状態であるとか、日本に住んでいるパートナーが出産をする際にサポートをする方が自分以外には居ない場合など「本当に今、日本に来なければいけない理由がどうしてもあるケース」については、審査の上で入国を認めている形です。

 

海外から人が入ってくる限り、変異種の持ち込みというリスクはあります。ただ一方で、先のような事例でさえも入国を一切認めないという形になってしまうと、「人権侵害」に繋がる恐れがあり、その場合に誰が責任を取れるのかという話にまで発展してしまう可能性もあります。

 

水際対策の徹底と例外の許容というのはバランスを取ることが非常に難しいところですが、現状、この例外については国民の皆様にご理解を賜りたい点です。

帰国者への対応、日本人の場合は...

一方、日本人の帰国については、許可されている。出入国在留管理庁が入国の確認は行うものの、外国人のように法律に基づく審査をされることはない。

外国人入国者と同様に、滞在先の国や地域を出国する前の72時間以内に新型コロナウイルスに関する検査を受け「陰性」であることを証明する検査証明が義務付けられ、検疫など、すべての入国・帰国者を対象とする対応が求められる。

また、検疫所に対する誓約書の提出を必須とし、14日間の公共交通機関の不使用や自宅等での待機、位置情報の保存、接触確認アプリの導入等について誓約する点も同じだ。

厚生労働省公式サイトより
厚生労働省「水際対策に係る新たな措置について」

誓約違反で氏名公表 水際対策のため罰則を強化

政府は水際対策の強化のため、日本への入国者が誓約に違反した場合、氏名を公表するなどの措置をとることを決めた。

誓約書には、違反した場合、氏名や「感染拡大防止に資する情報」が公開される可能性があると明記されている。対象はすべての入国者で、外国人の場合は在留資格の取り消しや強制退去の対象となることもありえるという。