橋本聖子氏が就任会見。新会長としてのミッションは「今の社会の空気を変えていく」【冒頭挨拶】

「新会長を選ばざるを得なくなった一連の経緯は、さらに国民の皆様、都民の皆様の気持ちを困惑させるものだった」。橋本聖子氏が冒頭挨拶で話したこととは?
橋本聖子氏
橋本聖子氏
Photo by Yuichi Yamazaki/Getty Images

2月18日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の新会長に、五輪担当相の橋本聖子氏が就任した。橋本氏は同日付で五輪相を辞職した。午後6時から就任会見が開かれ、意気込みを語った。

会見前に開かれた理事会では、コロナ対策やジェンダー問題への取り組み、また初の延期となる東京大会への抱負を話したという。

橋本氏は、「コロナの状況によって大会開催を不安に思う方もおられるのではないか。加えて新会長を選ばざるを得なくなった一連の経緯は、さらに国民の皆様、都民の皆様の気持ちを困惑させるものだったのではないかと思います」と説明。

「今回の出来事で、多くの方は組織委員会が大会を契機としたジェンダー平等の推進にいかに取り組もうとしているか注目していると思います」と述べ、「そのことに関しては、スピード感を持って進めて組織委員会に対する皆様の信頼回復に努めてまいりたい」と抱負を語った。

コロナ禍の大会開催については、厳しい声も上がっている。橋本氏は、「オリンピック・パラリンピックも社会の一部である」とし、「政府、東京都、関係自治体による一連の対応で状況が改善することを期待しながら、オリンピック・パラリンピックのあり方を進めたい」と表明。17日から医療従事者を対象にワクチン接種が開始されたことにも触れ、「希望の一歩になるのではないか」と話した。

アスリートに向けては、「今日の世論の中で、オリンピック・パラリンピックという舞台を目指すことすら果たして良いものかと自問自答することは大変苦しい毎日だろうと想像しています」と言及。自らのミッションについて、「安全最優先の大会を実現して、アスリートの皆さんが迷うことなくこの夢の舞台に立てるよう、今の社会の空気を変えていくことだと思っています」と述べ、アスリートファーストの姿勢を強調した。

また、辞退が相次いだボランティアスタッフや聖火ランナーに対しては、「もう一度東京2020の大会の一役を担っていただけるということでありましたら、ぜひまたボランティアとして参加していただけるよう、その準備をしっかりと整えていきたい」と呼びかけた。

橋本聖子氏とは、どんな人物なのか

橋本聖子氏は自民党の参議院議員で、もともとは、女子スピードスケート選手。

公式サイトのプロフィールによると、1992年冬季アルベールビルオリンピックでは、1500メートルで銅メダルに輝いた。冬季では、日本人女性初のメダリストとなった

夏季オリンピックは自転車競技の代表として、1988年ソウル、1992年バルセロナ両大会に出場。夏季と冬季合わせて、計7回オリンピックに出場した。

日本オリンピック委員会(JOC)の副会長などを経て、2019年9月から東京オリンピック・パラリンピック担当大臣を務めた。

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