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2021年03月02日 16時50分 JST

いじめ告発で、韓国の人気双子バレーボール選手が代表を無期限除外

双子姉妹のイ・ジェヨン選手、イ・ダヨン選手。学生時代のいじめが次々と発覚し、懲戒処分を受けた。

KAZUHIRO NOGI/AFP via Getty Images
イ・ジェヨン選手

韓国で人気の双子バレーボール選手が、学生時代に「いじめ」をしていたという事実が発覚し、騒動になっている。

双子姉妹のイ・ジェヨン選手、イ・ダヨン選手は、所属チームからの無期限出場停止処分を受けたほか、韓国代表選手となる選抜対象からも無期限除外される見込みとなっている。

 

いじめ被害者が2人を加害者として名指し

学生時代に2人が行っていたいじめが発覚したのは、ある韓国の掲示板に掲載された投稿がきっかけだった。

中央日報によると、2月10日、ポータルサイトの掲示板に、「現役バレーボール選手のいじめ被害者です」というタイトルの投稿があった。その投稿は、イ・ジェヨン選手、イ・ダヨン選手にいじめを受けたという告発だった。

投稿文では「10年も前の話なので、忘れようと思ったけど、加害者がSNSにアップした投稿を見て、あの時の記憶がよみがえり、自身が過去にしたことを振り返ってほしいという気持ちで勇気を出してこの文章を書く」とされていた。

投稿者は小学校・中学校時代に2人と一緒にバレーボールをしていた仲だという。投稿では、加害者たちから受けたとする21の事実を羅列した。自身を含め被害者は少なくとも4人いたという。

いじめの内容として投稿者が主張したのは「双子のうち1人でも気分がよくない日があると、なんの理由もなしにひどい悪口を言う」「被害者の親に対する悪口も言った」「ちょっとしたことでも、被害者のお腹をつねったり、口を殴り、こぶしで頭を叩いたりした」というもの。 

さらに、一緒に寮生活をしていた被害者に対して、自分の要求を聞いてくれなかったという理由で、ナイフを突きつけ脅迫したこともあったという。

投稿者は「多くの時間が過ぎ去ったが、いまだに加害者によるトラウマを持って生きている」とし、「心のこもった謝罪を受けたい」と綴った。そして、イ・ジェヨン選手、イ・ダヨン選手と一緒に活動していた全州中山小学校バレーボール部時代の写真などを、証拠として掲載した。

 

いじめられていることをほのめかす投稿をしていたイ・ダヨン選手

投稿者が告発したきっかけとなったのは、イ・ダヨン選手のSNS投稿だという。彼女は、2020年からチームのメンバーにいじめられていることをほのめかすような文章をSNSに投稿していた。

中央日報によると、イ・ダヨン選手は「パワハラ文化はこの社会から1日も早く消えるべきだ」「パワハラといじめは絶対にするべきではない」「すぐにバレるだろう、バレるはず。私が全部爆発させる」などといった文章を掲載していた。

このイ・ダヨン選手の投稿は、同じチームに所属しているキム・ヨンギョン選手から受けたいじめを告発する文章ではないかという憶測が浮上していた。イ・ダヨン選手はさらに「面白いと思ってもやられた方は死にたい思いだ」という投稿もしていた。

これに対し、掲示板で過去に彼女からいじめを受けたと告発した投稿者は「本人の過去の行動については、全て忘れたようだ」と指摘していた。

イ・ダヨン選手の投稿によっていじめ疑惑が浮上していたキム・ヨンギョン選手は「葛藤があったのは事実だが、誤解が積み重なったハプニング」と説明していた。

 

双子選手が公式謝罪

告発が話題になっていた2月10日、「興国生命」の実業団チームに所属するイ・ジェヨン選手、イ・ダヨン選手は、学生時代に2人が行っていたいじめについて認め、公式に謝罪した。

イ・ジェヨン選手、イ・ダヨン選手のインスタグラムより
イ・ジェヨン選手、イ・ダヨン選手が載せた直筆の謝罪文

2人は、インスタグラムに自筆の謝罪文を公開。イ・ダヨン選手は、「私たちの誤った行動により、傷ついた人たちに謝罪し、謝罪文を公開する」とし、「失望させ心から申し訳ない」と陳謝した。続けて「学生時代、一緒に汗を流し運動した同僚たちに、自分の未熟な行動によりつらい記憶と傷を与える言動をしたという点について、深く謝罪する」とし、「これからは自粛し、反省する姿を見せる」とした。

イ・ジェヨン選手もまた、「思慮分別がなかった過去に行った無責任な行動により、多くの人を傷つけてしまった。頭を下げて謝罪する」とし、「これから私が行った誤った行動と言葉を消して忘れずに、もう少し成熟した人になりたい」と決意を綴った。

この謝罪文に対して、掲示板でいじめを告発した投稿者は、「虚しいですね。文章一つで10年の歳月が許されるわけではないが、これから生きていく中で本人が行った過去について、深く反省しながら生きていくことを望みます。どんな理由であれ、いじめは正当化できない」と追加の文章を掲載した。

 

謝罪後も次々と現れる被害者の告発

2人の謝罪によって、事態は一時収束したかのように見えた。

しかし、他の被害者による追加の告発が次々と登場し、加害者である姉妹が行っていた他のいじめも明らかになった。投稿されたのは以下のような内容だ。

「寮生活を一緒にしていたのだが、いたずらの度を超えていた。気分通りに行動していた」

「いじめを受けて毎日毎日死にたかった。あの時は一人でトイレに行って首をしめることが日常だった」

「今、テレビで、いい人のふりしているあの人たちを見ると、この世の中は平等ではないと思う」

 

2人に対する懲戒処分が決定

いじめ騒動が明らかになると、イ・ジェヨン選手、イ・ダヨン選手に対する懲戒処分が下された。

2月15日、2人が所属するチーム「興国生命」は、「学校でのいじめは、決して起こってはいけない。どんな理由であっても認められない」とし、2人を無期限出場停止の懲戒処分とした。

また、聯合ニュースは、大韓民国バレーボール協会関係者の発言として、2人は韓国代表の選手選抜対象から無期限に除外されると報じている。