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2021年04月07日 14時51分 JST

「中学生なのに男女同じ教室で着替え」。耳を疑うブラック校則、保護者から寄せられた“生の声”を紹介します

学校に蔓延する“ブラック校則”や不可解なルール。それに対する保護者の見方は...?

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日本の学校の教室のイメージ画像

川崎市立の一部の小学校で、体育の時間に「肌着の着用を禁止」とする指導が行われていることに対し、多くの批判が寄せられていた問題

同市の教育委員会は4月5日、ハフポスト日本版の取材に対し、調査を行なった小学校114校のうち、34校で同様の指導があったことを認め、「現在は各学校側から肌着の着替え等をご準備頂くよう周知を進めています」と回答し、新年度から対応を改めた。

この「肌着の着用禁止」の問題をきっかけに、ハフポスト日本版編集部には小学校・中学校に通う児童や生徒の保護者から多くの情報や意見が寄せられた。

提供された情報に目を通してみると、学校には、いわゆる“ブラック校則”やおかしなルールが未だにあるという現状が分かった。許可を得た上で、提供された情報を匿名で紹介する。

肌着だけじゃない。「体操服」の理解しがたいルールに疑問

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体操着のイメージ画像

保護者から送られた情報を読んでいると、「肌着の着用禁止」については地域によって対応に大きく差があることが分かった。

例えば、問題が大きく報じられた川崎市の保護者からは、「我が子が通う川崎市立の小学校も肌着着用禁止で、そのことを保護者は知りませんでした」という声があった一方、「そんな指導があることを初めて知りました。川崎市立の小学校へ通わせていますが、そんな指導はありません。通っている小学校では、『肌着は大事。肌着を着ましょう。汗をかいたら肌着が汗を吸ってくれるので、肌着は大切です』と配布された保険だよりに記載されています」との声もあった。

同市では2021年3月に調査を実施し、小学校114校のうち34校で実際にそのような指導が行われていたことがハフポスト日本版の取材で分かっている。

だが今回、肌着の着用禁止についての意見以上に多く寄せられたのは、「体操服」の管理についてのルールだった。

「体操着は週の終わりまで持って帰ってはいけない」(例えば、月曜に着た体操着を金曜日まで洗濯せず着続けます、夏場でも) 東京都

「脱いだ服は体操袋にいれなければならない」(袋に入らない服は着てきてはいけない。冬用のズボンやセーターは「脱いだ時に体操袋に入らない」という理由で娘は薄着に。大きめの体操袋を用意して対応しました)東京都

「汗をかいて汚れた体操着を授業後に体育着袋にしまい、次の体育の授業でまた着る。「衛生面の配慮」と仰っているのに、おかしいのでは。腑に落ちません」神奈川県

「体操着を1週間持ち帰らず同じ体操着で体育の授業を受けて過ごすのに、肌着をつけないなんてなんて不衛生なのか」神奈川県

 体育の授業で使用した体操服を週末まで持ち帰ることが出来ない、不可解なルール。時期や場合によっては1週間に何度も使用するケースがあり、とても「衛生的」だと言えないのではないか。

これについて1人の保護者からは、さらに踏み込んだ以下のような意見も寄せられた。

「体育に限らず、学校や幼稚園にも、多くの生徒を効率的に管理するという観点で定められたのか、子供の意思や個々の身体感覚がないがしろにされていると感じるルールが数多くみられます。親が『それはおかしいと思うよ』と言っても、子供にとって先生の存在は絶対のようで、懸命にルールに従おうとします。『学校の決まりから外れないように行動しなければならない』という環境が作り出す雰囲気は子供に閉塞感を感じさせるのではないでしょうか」(東京都)

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体育の授業のイメージ

もう中学生なのに...。「体育前の着替えは男女同じ教室」という情報も

数多く寄せられた意見や情報の中で最も目に留まったのは、ある1人の保護者からのこんな情報だった。

・「中学生なのに体育前の着替えは男女同じ教室で行います。制服の下に体操服を着て登校し、休み時間に男女同じ教室で制服を脱ぎます。体操服→制服の場合も同じです。汚れた体操服の上に制服を着ます」(神奈川県川崎市)

性への意識が小学生の頃よりも強く芽生え、思春期で多感になるとされる中学生で、着替えの際にこのような状況となっていることに驚きを隠せない。

保護者から提供された情報には、このように続きがある。

毎年保護者が問い合わせをしていますが、「着替える時間(休み時間が少ない)がないので」で終わりです。これでは、理由になっていないと思います。時間がないならその時間割がおかしいのではないでしょうか...。肌着問題と同様に、ぜひ教育委員会に質問して頂けないでしょうか。

この情報提供を踏まえ、ハフポスト日本版は4月5日午前に川崎市教育委員会・学校教育部健康教育課の担当者を取材した。

担当者に保護者から寄せられた情報を伝え、「川崎市立の中学校で体育前の時間に男女が同室で着替えをしている事実はあるのか」と聞くと、「そのような事実は、現状のところ把握出来ておりません」との回答だった。

新年度で今回の取材に対応した担当者も新任とのことだったが、「情報が分かり次第改めてお伝え致します」とした。回答があり次第、またお伝えしたい。

保護者はなぜ直接、学校側にアプローチできないのか?聞いてみた

意見や情報を寄せてくれた保護者に対し、「なぜ学校側に直接伝えることが出来ないのか?」という質問をそれぞれにしてみると、以下のような回答があった。

まだ娘は小学校低学年なこともあり、我が家に関しては内申を気にして学校に言えないと思ったことはないのですが、体育の授業1つとっても、「冬でも体操着に重ね着をしていいのは上のトレーナーだけで、下は半ズボンのみ可(長ズボン不可、下にレギンスも不可)」というような、細かくて不可解なルールが学校には多く、その1つ1つに意見する気も起こらなくなる、というのが率直なところです。(東京都)

保護者が問い合わせると「子どもの内申に響くのではないか?」と考えてしまい、私達から学校に強く働きかけることができません。「内申点」の影響は大きいと思います。課題の提出時に「内申点が取れる書き方」を塾で指導しているから、塾に入らないと内申点が取れないとの噂があるくらい、親として内申点に敏感です。先生の好き嫌いで内申点を調整されているのか生徒側からはわかりませんので...。(神奈川県)

(保護者である)私から先生に言うことは見合わせていて、様子見をしているといった感じです。我が子の成長の先に、「もう無理かな?」と思ったタイミングで現状が変わっていなければ、先生や学校側に連絡すると思います。(東京都)

親として、「学校がそう言うなら...」って黙認してきたという感じです。始めから先生や学校側に色々言うと、なんだか「やばい親」だと思われて、子供に影響出てしまうかもしれないと…。「モンスターペアレント」と思われるのではないか?という懸念があるんです。(三重県)

 「様子見をしている・黙認してきた」など、疑問に思っていても学校側にそれを伝えていない保護者もいたが、複数寄せられたのは子どもの「内申」への影響を考えて声を上げづらいとの声だった。

小学校では私立中学の受験、中学校では高校への推薦入学に出願するケースなども少なくないことから、内申への懸念があることも理解できる。

すでにこの時点で、学校側と保護者との間にある種の“力関係”のようなものが生まれてしまっているのではないか。

保護者から意見を伝えられなければ、学校側も積極的に対応しようとしないのかもしれない。意見の中には「なんのための保護者会なのか」と憤る声もあった。

ある保護者は、「学校と保護者の間の情報伝達は、主に学校からの紙の配布物による一方的な通知によって行われています。インターネットやメール、コロナの影響で対面の保護者会ができないのならば、今はZoomなどのツールを使うなどして、もっとオープンで風通しの良い環境づくりに努めてほしいです」と切実な思いを吐露した。

学校に蔓延する“ブラック校則”や不可解なルール。変えていくにはやはり、声をあげることが1つの大きなきっかけになる。ハフポスト日本版編集部では引き続き、保護者の皆様からの情報提供などをお待ちしています。