日本の感染状況は「さざ波」。高橋洋一内閣官房参与に批判殺到。更迭を求める声も

「さざ波って...医療従事者の前で言えますか?」。新型コロナウイルスの感染状況をめぐる高橋氏の投稿は「人命を軽視した発言だ」と批判が寄せられている。
高橋洋一氏のツイート
高橋洋一氏のツイート
高橋洋一氏のTwitterより

嘉悦大学教授で菅内閣の内閣官房参与を務める高橋洋一氏のTwitterでの発言に批判が集まっている。

高橋洋一氏は5月9日、ジョン・ホプキンス大学の新型コロナウイルスに関するデータを引用した上で「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」とTwitterに投稿。

この投稿に対しTwitterでは「さざ波って何言ってるの?大勢の人が亡くなっているのに」「今の大阪の状況を見てよくさざ波と表現できるな」「耳を疑う」など批判が寄せられ、9日夜には「#高橋洋一内閣官房参与の更迭を求めます 」が日本のトレンド入りした。

“さざ波発言”、何をもとに発言していたのか

批判が寄せられている高橋氏の“さざ波発言”。

高橋氏がTwitterで引用したジョン・ホプキンス大学によるデータは「100万人あたりの新規感染者を国別に示したもの」で、2021年5月7日時点で示されていたのは、新規感染者の多い順に、インド、フランス、カナダ、ドイツ、イタリア、アメリカ、日本、イギリスだった。

このデータでは日本は下から2番目だったが、高橋氏はこれを引き合いに「日本はこの程度の『さざ波』。これで五輪中止とかいうと笑笑」と投稿した。

ちなみにこのデータ、最新の5月8日時点のものでは新規感染者の多い順にインド、ネパール、フランス、カナダ、ドイツ、イタリア、アメリカ、日本、イギリスとなっている。

日本はこの程度の「さざ波」。これで五輪中止とかいうと笑笑 pic.twitter.com/Q6JvZCOTUa

— 高橋洋一(嘉悦大) (@YoichiTakahashi) May 9, 2021

一方で、見る指標が違えば状況も異なる。

同じくジョン・ホプキンス大学が示す「新型コロナウイルス検査での陽性率」の5月6日のデータでは、陽性率が高い順に、ネパール、インド、ドイツ、日本、フランス、カナダ、アメリカ、イタリア、イギリスとなっており、他国と並んで日本が深刻な状況であることを物語っている。

「新型コロナウイルス検査での陽性率」を示すデータ(5月6日時点)
「新型コロナウイルス検査での陽性率」を示すデータ(5月6日時点)
Official data collated by Our World in Data

高橋氏のTwitterの返信には「さざ波って...医療従事者の前で言えますか?」「人命を軽視した発言だと思う」など怒りの声もあがっていて、高橋氏の更迭を求める声も大きくなっている。

加藤勝信官房長官は10日に開かれた記者会見で、高橋氏のツイートについて「個人としての発言で、政府としてコメントは従来も差し控えている」と回答した

記者から「高橋氏が内閣官房参与を続けることを政府として問題ないと考えているのでしょうか」と問われると、加藤氏は次のように回答するにとどまった。

高橋参与には経済・財政政策に関して、諮問に応えて意見を述べていただく、まさに非常勤の職ということであります。それにのっとって対応していただくことが非常に大事だという風に思いますが、個々の考えや個々の発信については政府としてはコメントを差し控えさせて頂く。

【追記  5月10日午後5時】10日開かれた加藤勝信官房長官の記者会見での、高橋氏のツイートに関する質疑を追記しました。

注目記事