カルビーがサステナビリティに取り組む理由とは?「かっぱえびせん」を手に社長が話した

伊藤秀二社長は、小中学生から「カルビーのポテトチップスはパーム油をどういうふうに使っているんですか」といった質問が増えていると明かした。
カルビーの伊藤秀二社長
カルビーの伊藤秀二社長
ハフポスト日本版

スナック菓子大手のカルビーは10月14日、同社の伊藤秀二社長ら幹部が出席して「サステナビリティに関する記者懇談会」を開いた。同社によると、初めての取り組みだという。

「今まで取り組んでいなかったわけではないが、自分たちの経済活動の成長だけを考えているのではなく、同時に社会課題も解決していかなければならない。新型コロナをきっかけに、さまざまな分野でやっていかなくてはならないと考えていました」

伊藤社長は、環境問題や人権問題などの社会課題が企業活動に影響を及ぼしているとした上で、サステナビリティに向けて取り組む意義についてこう語った。

カルビーの環境への取り組みとしては、大きく3点を挙げた。

①温室効果ガス排出量の削減

②プラスチック容器の代替・削減

③認証パーム油の使用

温室効果ガスについては、カルビーは現在(2019年3月期)、製造や物流などを通じて約53万トン排出している。これを2030年までに30%削減し、他社から供給された電気などの使用に伴う間接排出と自らによる直接排出については2050年までにゼロをめざすと明らかにした。すでに13ある工場のうち、9工場で再生可能エネルギーに切り替えているという。

カルビーにとって、気候変動の問題はどれほど大きな問題なのか。

「私たちのビジネスではスナック食品など、ほとんど農産物を原料にしています。ベースになっている馬鈴薯については、生の馬鈴薯のままとっておいて、使える範囲で加工するやり方。原料の生育や気候変動の障害は大きい」

「日本政府も2050年カーボンニュートラルという高い目標を設定した。大変と感じるよりも、やっていかないといけない。気候変動は自分たちの経済活動や生活によって起きたことであり、これをどう戻していくか。これは事実というか、義務です。それをやっていかなければ、次に進めないと感じている」(伊藤社長)

若い世代の環境問題に対する意識の高まりを背景に、伊藤社長はこう語った。

「お客様相談室にも、小学生や中学生の方が、『カルビーのポテトチップスはパーム油をどういうふうに使っているんですか』という質問が来ます。その数がどんどん増えています。ちゃんと取り組んでいるのに伝えていなかったこともあったので、情報は積極的にオープンにしていかないといけないですし、我々もイノベーションを起こしますけれども、ユーザーと一緒にイノベーションを起こしていき、ともに持続可能な社会を作っていくという関係が最適ではないかと思っています」

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