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2021年10月18日 12時05分 JST

ファミマ、『お母さん食堂』などを『ファミマル』に統一。新デザインの狙いは「誰にでもわかりやすく」

『お母さん食堂』をめぐる指摘については「議論は当然受け止めていた」という。

ファミリーマート
(左から)ファミマル、ファミマルKITCHEN、ファミマルKITCHEN PREMIUMのロゴ=ファミリーマート提供

ファミリーマートは10月19日から、『お母さん食堂』『ファミリーマートコレクション』などのプライベートブランド(PB)を『ファミマル』に順次リニューアルする。

今年創立40周年を迎えたファミリーマート。2012年から始めた『ファミリーマートコレクション』と、お惣菜を中心としたPBとして2017年からスタートした『お母さん食堂』を一新する。

『ファミマル』のコンセプトは「ファミリークオリティ」。「大切な家族に安心して薦められる安全と品質の商品」を意味するという。基本方針の一つには、「老若男女あらゆる世代の人が理解できること」を掲げている。

子どもから高齢者まで、そして誰にでもわかりやすい伝え方をめざすという、そのデザインの狙いについてファミリーマートの担当者に聞いた。

「5秒でわかる」をめざして

まず、デザインでこだわった点は「視認性の高さ」だという。

全国に5万店以上あるコンビニは、「生活インフラ」「社会インフラ」とも呼ばれる。それだけにあらゆる地域で、あらゆる年代の、あらゆる立場の人が利用する。

ファミリーマートのデザイン担当者は「商品名の文字を大きくし、似た商品が並んでいても文字を読む前に違うものであることがわかるという視認性の高さを狙いました」と話す。

「お客様にはいろんな方がいます。年代も国籍もさまざまですし、一人で子育てしている方、時間のない方……どなたにとってもわかりやすいものをめざしました」

『ファミリーマートコレクション』のデザインでは商品名を入れる枠が決まっていたが、『ファミマル』では枠をなくし、全体的に大きな文字を入れられるようになったという。

めざしたのは、商品を見て「5秒でわかるキャッチコピー」だという。『ファミリーマートコレクション』では商品名のほかに小さな文字でこだわりなどを記載していたが、端的な文章に。そこに14種類のアイコンを新たに作り、目で見てわかることを意識したという。

使用している素材や、袋のまま電子レンジで使用可能かどうかなど、商品を選ぶ際に知っておいて欲しい情報をアイコンとしてパッケージの目立つ位置に配置した。

デザイン担当者は「せっかく美味しそうに撮れた商品の写真の上にアイコンを置くと、美味しそうに見えなくなるのではないか、という議論もありましたが、お客様に間違えずに安心して買ってもらえる商品であることを最優先しました」と話す。

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『ファミマル』で新たに作った14種類のアイコン=ファミリーマート提供

また、陳列の際に、棚の下の方に置かれる可能性がある商品では、商品名をパッケージの下部に配置した。上から見た際に、商品の上部が影になっていても、商品名を認識できるようにするためだという。

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『お母さん食堂プレミアム』の「じゅわっと肉汁!!!鉄板焼ハンバーグ」(左)と『ファミマルKITCHEN PREMIUM』の「じゅわっと肉汁!!!鉄板焼ハンバーグ」=ファミリーマート提供

「お客様だけでなく、店員にとってもわかりやすく」

一方、店舗で実際に商品を選ぶ消費者だけではなく、店舗で働く店員にとってのわかりやすさも重視したという。

「コンビニはあらゆる方が利用されるので、お客様にとってのわかりやすさが大切です。一方で、さまざまなバックグラウンドを持つ店員も増えています。店員にとっても陳列しやすい、わかりやすいデザインになるよう心がけました」

味噌汁、豆菓子、スナック菓子、おつまみなど、商品をカテゴリーに分け、そのカテゴリーごとでベースとなる色を統一。その上で、商品の味や種類ごとに色分けし、商品名を見なくても色で違う商品だとわかるようにした。

「日本語が得意でない店員だと、写真をみてもパッと別の種類かわからない可能性がある。それで同じカテゴリーだとわかるようにした上で、カラーリングすることにしました」

ファミリーマート
『ファミマル』の味噌汁シリーズの一部。デザイン上部にカラーリングが施されている=ファミリーマート提供(デザインは10月時点のもの)

カテゴリーごとにベースを統一することで、同じカテゴリーの商品を同じ売り場に並べやすくなり、似たような別のカテゴリーの商品が同じ売り場に並ぶことも防ぎやすくなるという。

「お客様にとってわかりやすい売り場を作るというのは非常に大事なのですが、それを作るにはスタッフがわかりやすく陳列しやすいというのが重要だと思っています」(デザイン担当者)

『お母さん食堂』への指摘「受け止めた上で、どういうものにしていくのか議論していた」

『お母さん食堂』のネーミングをめぐっては、「お母さんが食事をつくるのが当たり前という偏見を助長しかねない」などの指摘があり、名前を変えるよう求める署名活動も起きていた。

ファミリーマートの幹部によると、PBを一新するという構想自体は署名活動の前の2020年春頃から始まっていたという。

一方で、署名活動などの指摘は新デザインにどのように影響したのか。

デザイン担当者は「ユニバーサルデザインを実現するにあたり、当然ジェンダーの観点からもさまざまな議論がありました」と話す。

「私たちも(署名活動などをはじめとする消費者の皆さんの)議論は当然受け止めています。そうした世の中の議論を受け止めた上で、1日に1000万人以上の方が訪れるコンビニとしてどういうものにしていくべきなのかという議論はしていました」

あらゆる世代、あらゆる価値観の人が訪れるコンビニだからこそ、性別役割分担に関する根強い固定観念を再生産するような表現や、誰かを取り残しかねない排他的な表現は支持されない。

「コンビニを使われる方も、働く方も、全員含めて、社会の中でコンビニは存在しています。ある意味、コンビニは社会そのものだと思っています。ブランドとしてどうわかりやすく、安心してコンビニを使っていただけるか、そのためにどうデザインをするか、ということから議論は始まっています」

 

ハフポスト日本版は、『ファミマル』誕生の経緯や狙い、コンビニの将来像などについて、ファミリーマートの最高マーケティング責任者(CMO)の足立光氏にインタビューしました。記事は、10月20日に配信する予定です。