一発屋と呼ばれた小島よしおが見いだした「野菜芸人」の道。笑いを通じて、子どもたちに引き継ぎたい未来

「そんなの関係ねぇ!」。海水パンツ一丁で叫んで世に出たお笑い芸人の小島よしおさん。40代のいま、野菜の魅力を子どもたちに伝える「野菜芸人」としての道を歩んでいます。SDGsに寄せる思い、よしお流の伝え方とは。
「ごぼうのうた」=YouTubeチャンネル「ピーヤの休日」から
「ごぼうのうた」=YouTubeチャンネル「ピーヤの休日」から
サンミュージック

「ずっと消える、消えるって。消える芸人(ランキング)で3年連続1位でしたからね。どうしようかなって思ってたんです」

2007年、彗星のごとく現れた海パン一丁の男。筋骨隆々の上半身をむき出しに、こぶしを全力で振り下ろしながらこう叫んでいた。

「でも、そんなの関係ねぇ!」「でも、そんなの関係ねぇ!」「でも、そんなの関係ねぇ!」

「はいっ、おっぱっぴー」

肉体派のリズムネタが大ヒット。年末の「新語・流行語大賞」の候補にも入ったものの、すぐに飽きられると「一発屋」の烙印を押される。翌年からは「来年消える芸人ランキング」のトップに定着した。

どう芸人として生きていくかを模索していたころ、先輩の勧めで2011年に始めたのが子ども向けのライブだった。

歌からはじまった「野菜芸人」の道

会場では、子どもたちが走り回っても、大声を出したりしても問題なし。練りに練ったコントや漫才のネタをぶつける単独ライブでは「(観客に)私語をされると怒ってしまう芸人さんもいる」というが、小島のライブはそれとは対照的な無礼講スタイルだ。

「子どもが笑えば親も笑うんです」

子どもたちを飽きさせない工夫のなかからある歌が生まれた。

「土の中に きらめく 一本の 長い 長い 夢 未来 愛 希望 いや、ゴボウ~!」

コロナ禍の2020年に開設したYouTubeチャンネル「ピーヤの休日」でも公開した「ごぼうのうた」のはじまり。

好きなごぼうをテーマにノリのいいコミカルな踊りで笑わせつつ、「ポリフェノールとても豊富 食物繊維もいっぱい入っているよ」などと栄養の豆知識も歌詞に盛り込んでいる。ライブでの反応が良く、それならと年々、野菜のレパートリーを増やした。食べるのに苦手意識を抱く子どもたちの多いピーマンの曲では応援団長として歌う。

ピーマンのうた=YouTubeチャンネル「ピーヤの休日」から
ピーマンのうた=YouTubeチャンネル「ピーヤの休日」から
サンミュージック

「押忍!なんで子供に人気がないの それはニガみがあるからさ だけどニガみを乗り越えて 君たちは大人になるんだぞ」

「中身が空っぽそのわけは タネを熱から守るため 空っぽになってるその中に 君たちの夢をつめるのさ」

楽しく、押しつけがましくならないように届けるメッセージ。コロナ禍のためにリアルイベントを開くのが難しくなってからは、畑で農作物を収穫したり、とれたてを洗って食べたりする様子も配信で伝えてきた。

「子どもたちから食卓に出てくる野菜のことがわからない、という声を聞くんです。僕も知らなかったけど、畑に行けば学べる。モロヘイヤの種ってこんなに小さかったんだ!とか。スーパーに行っても、これはどこ産の野菜かなってすごく興味が出るようになりました。自分が楽しいし、子どもたちにも共有していきたい」。野菜への興味を深めるうちに、農業の抱える課題の解決にも役立ちたいと考えるようになった。

「食料自給率を上げていきたいんです。コロナなど不測の事態もありますし、海外からの輸送がストップすることだってあるかもしれない。自分たちが食べるものはもっと自分たちの土地で作った方がいいと思う。農家さんの生活の助けにもなります。農業ってカッコいい、面白いってみんなで盛り上げていけば後継者も育つと思うんです」

キュウリを収穫した小島よしおさん=ユーチューブチャンネル「ピーヤの休日」から
キュウリを収穫した小島よしおさん=ユーチューブチャンネル「ピーヤの休日」から
サンミュージック

よしお流SDGsの伝え方

お笑いはSDGsにも応用できる。大人たちも覚えるのに苦労するSDGsの掲げる17の目標を歌いあげる、とっておきの替え歌を作った。その名も「よしおのアルプス一万尺SDGsバージョン」。懐かしい調子に乗り、早口で歌い切る。

「SDGsが大切なことは、みんなわかっています。それをそのまま伝えるんじゃなくて、どう楽しく伝えていくかです」。SDGsに強い関心を寄せるのは、未来をになう子どもたちのためでもある。気候変動をはじめとする深刻な問題を「地球のしっぺ返しだと思う。みんなが反省しないといけない」と真顔で語り、「より影響を受けるのは子どもたちです。自分たちが変わらないといけない。それは大人の役割だと思います」ときっぱりと言い切る。

6年前に結婚。妻と暮らしはじめて、自分自身も変わった。夜寝る前にはちゃんとお風呂に入るようになったと照れる。笑わせ、和ませ、そして社会課題も身近に感じさせる存在へ。「そんなの関係ねぇ!」と叫ぶ少年のような無邪気さは残したまま、芸人としての新たなステージを歩む。

ハフポスト日本版は1月27日(木)21時、「給食とSDGs」をテーマにしたオンライン番組を配信します。食の環境負荷やフードロス、栄養格差など、SDGsに関わる様々な社会課題を「給食」を通じて考えます。

ゲストに、YouTubeチャンネル「ピーヤの休日」で、ニンジンやピーマンなど野菜の着ぐるみを身につけて楽しく食材の魅力を伝えているお笑い芸人の小島よしおさんをお招きします。小島さんはもう一つのYouTubeチャンネル「おっぱっぴー小学校」で、算数や社会などを独自の目線で分かりやすく解説していることでも知られています。一見難しく感じたり、キレイゴトにも聞こえてしまうSDGsをどう伝え、どう考えていけばいいのか。そうした観点でも話し合っていきます。

<番組概要>
番組は無料です。時間になったら自動的に番組が始まります。

配信日時:1月27日(木)夜9時~生配信(約40分)

配信URL: YouTube
https://youtu.be/23AMq3vSMxc

配信URL: Twitter(ハフポストSDGsアカウントのトップから)
https://twitter.com/i/broadcasts/1ynKOZrDyYkxR

「ミートレス給食」から考えるSDGs
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