「持続可能な食糧生産を」アグリテック・フードテック分野に最大50億円。投資ファンドが設立

日本を含むアジアのスタートアップ企業を中心に、最大で50億円規模の投資を見込んでいるといいます。
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Virojt Changyencham via Getty Images

農業分野でのテクノロジー開発や、肉を使わない「代替ミート」など最新技術で新しい食品を開発ーー。

そうした「アグリテック」「フードテック」と呼ばれる分野のスタートアップ企業に投資するファンドが設立した。

設立されたのは、「AgFunder SIJ Impact Fund」。

日本を拠点に投資ファンド設立やESG投資に関するアドバイザリーなどを行う「SDGインパクトジャパン」と、アグリテック分野のメディアも運営するアメリカのベンチャーキャピタル「AgFunder(アグファンダー)」のシンガポール拠点が共同で立ち上げたと3月18日、発表した。

日本を含むアジアのスタートアップ企業を中心に、最大で50億円規模の投資を見込んでいる。日本を含むアジア太平洋地域にフォーカスしたアグリテック・フードテックファンドでは最大規模だという。

このファンドには、国内食品大手「明治ホールディングス(HD)」と国内飲料大手「アサヒグループHD」が総額10億円を出資する。

明治HDの川村和夫社長は「お客様に商品をお届けしていくためには⽣乳やカカオなどの農作物を安定的に調達していくことが不可⽋」とし、「農業や⾷品分野において優れた技術やノウハウを有するスタートアップ企業に投資する本ファンドへの出資により、スタートアップ企業との協業を通じオープンイノベーションを推進していく」とコメントしている。

なぜ農業・フード分野なのか?

国連の推計によると、増加傾向にある世界の人口は、2050年には97億人に達するとみられている。人口増加は主にアフリカとアジアで起きるとみられているが、世界的な食糧不足が懸念されている。

一方で、「世界で生産された食料の3分の1が捨てられている」「農業分野は世界のCO2排出の25%を占めている」との調査もあり、多くの課題を抱えている。

これらの課題を解決し、持続可能な食糧生産を実現するため、効率的な農産物の生産につながるテクノロジーの開発や、CO2排出につながりにくい新しい食品の開発など、アグリテック・フードテック分野への期待は高まっている。

SDGインパクトジャパンの共同代表の一人、小木曽麻里さんは今回のファンド設立について、こう話している。

小木曽麻里さん
小木曽麻里さん
SDGインパクトジャパン提供

「アグリテック・フードテックへの投資は世界的に伸びており、急速な市場拡⼤期にある。⽇本やアジアへの市場進出を果たすグローバルなアグリ・フードテック企業も多く出てきています」

「フード・アグリセクターはサステナビリティ的に今後産業として大きな変革が求められると同時に、人工肉や脱炭素化など著しい技術開発が起きている分野。Z世代の消費者の嗜好の変化もあり、今後収益的にも期待できる分野と考えています」