今から始めよう、嫌〜な「アレ」対策。ゴキブリの侵入経路と退治のポイントをプロに聞いた

春先から虫たちの活動が活発になり始めます。害虫退治のプロに、チェックしておきたい侵入経路や撃退方法を教えていただきました。
ウェザーニュースより
ウェザーニュースより
ウェザーニュース
今年は3月に入ってからは気温が平年より高い日が多く、春本番のような陽気が続きました。暦の上でも二十四節気「啓蟄」を過ぎ、この暖かさで虫たちの活動も活発になり始めます。しかし、活発になってほしくないもののひとつにゴキブリがあります。

ウェザーニュースで「家でゴキブリを見ましたか?」というアンケートを昨年の同時期に実施したところ、「はい」と回答した人が全国で10%いました(2021年3月18〜19日実施、7846人回答)。
ウェザーニュースより
ウェザーニュースより
ウェザーニュース
地域別にみると、沖縄(17%)、中国(16%)、四国(14%)と、気温が高い西日本を中心に徐々に活動を始めていることがわかります。
そこで、害虫退治のプロにチェックしておきたい侵入経路や撃退方法を教えていただきます。

昨年同様“お家時間”増でゴキブリも…

虫ケア用品大手のアース製薬によると、昨年のこの時期はゴキブリ商材の出荷数が増加しているといいます。背景には、コロナ禍での生活スタイルの変化で、ゴキブリが例年よりも早く活動を始めていたことが考えられます。

アース製薬によると、

「リモートワークや外出自粛などで、家で過ごす時間が増えました。家での食事回数が増えれば食べこぼしや食品ゴミが増え、ゴキブリのエサとなります。また、家の中は冬でも快適な温湿度が保たれている影響もあります。ゴキブリの生育に適した温湿度は、25℃程度、50%前後。もともと寒さに弱く、冬は活動量が落ちますが、暖かいところでは休眠せずに活動を続ける個体もいるのです。

ほかに、宅配の利用増加もあります。段ボールの隙間に幼虫や卵が潜んだまま持ち込まれ、家の中で孵化・成長することが珍しくないからです」(有吉さん)

こうした生活スタイルの変化に加え、春はそもそもゴキブリが本格的に活動を始める時期です。

「一般家庭に現れることが多いクロゴキブリは半屋外性で、家の中と外を行き来していることが多いのです。冬の間、屋外で休眠している個体は、春になると活動を始めます。エサを見つけるため、また居心地のいい場所を求めて家の中に入ってくるのです」

エアコンまで!! 意外に多い侵入経路

思いもよらぬところからゴキブリは侵入してきます。

「私の友人は、ホテルの部屋で暖房をかけたところ、エアコンの送風口からゴキブリがポトッとベッドの上に落ちてきて、パニックになったといいます。実は、エアコンのドレンホース(排水ホース)からゴキブリが侵入することもあるのです。

換気口、網戸やドアの隙間、排水口、ベランダや廊下の排水パイプなど、ゴキブリの侵入経路はさまざま。植木鉢・プランターの下などがゴキブリの住みかとなっていることもよくあり、そこからより生存に適した屋内に侵入してきます。

ゴキブリは、数mmの隙間があればどこからでも入ることができます。また、ビルの高層階にも登ることができるので、アパートやマンションのベランダや隣室からも侵入します」

ゴキブリ退治のポイント

クロゴキブリは一生に15〜20回産卵するので、暖かくなって繁殖を始めると爆発的に増えます。そうなる前に退治することが肝心です。

まずは外からの侵入を防ぎたいもの。ベランダが住処とならない為に、ダンボールなどを片付けます。エアコンのドレンホースからの侵入を防ぐには、専用の防虫キャップが使えます。

「屋外用の毒餌剤をエアコンの室外機に張り付けておくのもよいでしょう。植木鉢やプランターの底は水分があるため潜みやすいので、その近くに置いておくのも効果的です。玄関からの侵入を防ぐには、入口にまちぶせ効果や忌避効果のあるスプレーをしておきます」

ただ、侵入を完全に防ぐことは難しく、屋内で冬を越すゴキブリもいます。

「食べ残しや生ゴミを密封し、流しの水分はその日の最後に拭き取るなど、ゴキブリが好まない環境にしておくことが基本です。さらに、家の中では、暗くて暖かく、湿気が多くて狭い場所を好むので、粘着トラップや、毒餌剤、スプレーなど虫ケア用品を使いましょう。キッチン周りや水周りの近くで使うとよいでしょう」

暖かくなり始める今の時期こそ、しっかりとした対策をしておくべきですね。

注目記事