集中豪雨が発生する要因となり、近年各地で甚大な被害を引き起こしている「線状降水帯」。
気象庁は6月から、この線状降水帯による大雨の可能性を予測し、半日程度前から情報提供する取り組みをスタートする。早めの避難につなげることが狙いだ。
線状降水帯とは?
気象庁のサイトによると、線状降水帯とは、発達した積乱雲が列をなして数時間にわたってほぼ同じ場所を通過・停滞することによって、大雨が発生する地域のこと。長さ50~300km、幅20~50kmにも及ぶ。発生メカニズムに未解明な点も多いとされている。
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コトバンクによると、1990年代から集中豪雨が発生した際に線状の降水域がしばしばみられることが指摘されていた。2014年8月の豪雨による広島市の土砂災害以降、頻繁にこの用語が使われるようになったという。
最近では、2017年7月の九州北部豪雨、2018年7月の西日本豪雨、2020年7月の熊本豪雨でも線状降水帯の発生が確認されている。
気象情報の中で呼びかけ
気象庁の発表によると、線状降水帯による大雨の可能性がある程度高いことが予想された場合に、全国を11ブロックに分けたエリアごとに、半日程度前から「線状降水帯が発生して大雨災害発生の危険度が急激に高まる可能性があります」などと気象情報の中で情報提供をする。
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これまで線状降水帯の発生を事前に予測することは困難だったというが、気象庁では、予測精度の向上を課題と位置付けて、研究機関と連携して予報モデルの開発を進めるとしている。