68組の双子モデルに衝撃走る。GUCCIのランウェイで手を繋いで歩く。いったいなぜ?【画像集】

実はデザイナーのアレッサンドロ・ミケーレは、母親が双子。「私は、自分に別の側面があることを知っています。セラピストのところに行くと、彼に会います」とも話した。
GUCCIの「Twinsburg」でランウェイを歩くモデルたち(2022年9月23日撮影)
GUCCIの「Twinsburg」でランウェイを歩くモデルたち(2022年9月23日撮影)
Daniele Venturelli via Getty Images

1921年に創業したイタリアを代表するブランド、GUCCI(グッチ)。

9月26日まで開催されていたファッションの祭典、ミラノ・ファッション・ウィークで発表された2023年春夏コレクションのお披露目で、起用されたのは68組の双子のモデル。

同じファッションに身を包みランウェイを歩く圧巻の姿が日本のSNSでも話題を呼んでいる。いったいなぜ、双子のモデルを選んだのだろうか?

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テーマは「双子の町」。デザイナーの母が双子だった

今季のテーマは、「Twinsburg(ツインズバーグ、双子の町)」。アメリカのオハイオ州に同名の地域があり、1800年代に一卵性の双子が開拓して作られた町で、毎年「双子祭り」が行われている。

実は、GUCCIのデザイナーのアレッサンドロ・ミケーレは、母親が双子であり、7歳だった1979年に叔母が亡くなるまで、共に住んでいたという。2人にオマージュを捧げた、パーソナルなショーを作り上げた。

GUCCIのインスタグラムでは、「Twinsburg」について、「双子というコンセプトは、同一性や類似性を連想させるかもしれません。しかし、アレッサンドロ・ミケーレはその正反対を示すことを目指しています」と説明。

ショーの前に、ミケーレはこうコメントした。

「双子の素晴らしさは、完全な同一性が不可能なことに起因している。それは類似性という欺瞞であり、対称性にひびの入った幻想のゲームです」

セラピーを通して出会った「別の自分」と手を繋ぎ合う

見た目が似ていたとしても、1人1人が異なるアイデンティティをもつ存在である──そう示した今回のショー。

さらに、The Gurdianによると、ミケーレは「セラピーを通して出会った自分」からもインスピレーションを得たようだ。

ミケーレはショーで、「ファッションは他者性という概念に強く訴えるもの」だとし、こう続けた。

「私は、自分に別の側面があることを知っています。セラピストのところに行くと、彼に会います。私たちはみな、自分の中に別の側面を持っており、時々その人に出会って、手を繋ぎ合うこともあるのです」

デザイナーのアレッサンドロ・ミケーレ
デザイナーのアレッサンドロ・ミケーレ
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また、観客にも心理的射影テストの1つであるロールシャッハテストを贈り、「これは、自分の内面を掘り下げた時に見つかるものをめぐるショーなので、みなさんにもその準備をしてほしい」と話した。

ミケーレにとって「ランウェイは演劇の舞台」。ショーは、双子のモデルが1人ずつ壁を挟んだランウェイをウォーキングしているが、フィナーレで2人が揃って手を繋いで歩くという演出。68組の双子は、ツインズバーグの「双子祭り」で内密にスカウトしたという。

写真で見るGUCCI「Twinsburg」

Daniele Venturelli via Getty Images
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