グラミー受賞グループのコンサート中止 「聖書に反するメンバーがいるため」米大学の声明に反発広がる

イギリスのアカペラグループ「ザ・キングズ・シンガーズ」が開演2時間前の中止について驚きの受け止めをつづっています

グラミー賞受賞歴のあるアカペラグループが2月11日にアメリカで行う予定だったコンサートが、開始の2時間前になって中止に追い込まれた。中止を決めたのは会場となっていたアメリカ・フロリダ州の『ペンサコラ・クリスチャン大学』で、理由について「一部のメンバーが聖書に反する“ライフスタイル”をしているため」と説明している。

ニューヨーク・タイムズはやイギリス公共放送BBCなど海外メディアは、反発が広がっていると報じている。

The King's Singers

コンサートの中止に追い込まれたのは『ザ・キングズ・シンガーズ』というイギリスで結成されたアカペラグループ。14日にグループの公式Twitterアカウントに、中止の経緯と受け止めを投稿した。

それによると、ペンサコラ・クリスチャン大学で予定されていたコンサートは開演予定の2時間前になって急きょ中止された。「大学からはメンバーの“ライフスタイル”について懸念があるためと説明された」とし、「学生などとのやり取りの結果、大学の言う懸念はメンバーのセクシュアリティーに関係するものだと確信した」とつづっている。

ニューヨーク・タイムズによると、グループメンバーのうち2人がゲイだという。

ペンサコラ・クリスチャン大学はキリスト教に基づく教育者を育てるために1974年に創立された。同大は14日に公式Twitterアカウントに言い分を投稿した。

中止を決めた理由として、「大学として、私たちの信念の礎となっている聖書に反することだとわかっていながら、支持するようなことはできません」と説明。続けて、「メンバーの一部が聖書に反する“ライフスタイル”を隠しもせずに続けていることを知ったため、コンサートを取りやめた」と述べている。出演料は支払ったとしている。

ネット上ではザ・キングズ・シンガーズへの応援の声が上がっている。「驚きが止まらない。同性愛嫌悪、偏見、恐れ、聖書を盾にした寛容性と理解の完全なる欠如だ」「グループの大学への反応は非常に尊厳高いもの。私たちが彼らに代わって怒りを表すべきだ」。

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