みずみずしくて果汁たっぷりの「デコポン」を選ぶ方法はこれだ。色の濃さや重さがヒントに

「ヘタの膨れ具合や形は味には影響しないので、気にしなくて大丈夫です」
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温州ミカンはそろそろ終盤を迎え、中晩柑(ちゅうばんかん:12月から5月にかけて登場する柑橘類)のいよかんやポンカンなどが出回る時季になりました。

これら中晩柑の中でも雪だるまのようなユニークな形で目を引くのが、不知火(しらぬひ)です。生産地のJA熊本果実連の青果事業本部販売部、西山一成さんに詳しい話を伺いました。

デコポンと不知火の違い

「『不知火』は、温州ミカンとトロビタオレンジの掛け合わせた『清見』と、『ポンカン』の交配で生まれたものです。

不知火の中でも光センサーでチェックされた糖度とクエン酸の全国統一基準をクリアしたものだけが『デコポン』と名付けられます。つまり、不知火は品種名、デコポンはJA熊本果実連が商標を持つ商品名で、デコポンは不知火の中から選りすぐられた美味しさを持つ柑橘なのです。

甘味が強くジューシーな味わいと、かわいい形、食べやすさが魅力で、平成3年に熊本県からはじめて出荷されて以来、人気が高まっています」(西山さん)

美味しい不知火/デコポンの選び方

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美味しい不知火/デコポンの選ぶときには、皮・重さに注目すると良いそうです。

「皮にハリとツヤがあり、オレンジ色が濃くてくすんでいないもの、手に取るとずっしりと重みがあるものを選んでください。そうしたものほど、よりみずみずしく果汁たっぷりで美味しい傾向があります。

デコポンというと、ヘタの周りが膨らんだ独特の形が思い浮かびますが、ヘタの膨れ具合や形は味には影響しないので、気にしなくて大丈夫です。

これから春にかけての完熟ものは、甘みが増し酸味も下がり、味は一段と良くなります」(西山さん)

寒い時季なら常温保存でもOK

不知火/デコポンは、寒い時季なら風通しの良い冷暗所で常温保存できるそうです。

「気温が上がってきたら、キッチンペーパーや新聞紙に包み、ポリ袋に入れて口を結んで乾燥を防ぎます。その上で野菜室に入れると、1~2週間は保存が効きます。

房の皮が薄く、口に残りにくいので、外皮をむいてからひと房ずつ重ならないように保存袋に入れて冷凍すると、シャーベットのようにも楽しめます」(西山さん)

不知火/デコポンはビタミンCの含有率が多く、2個程度で成人1日分の必要量が摂取できます。また、がん予防効果が期待されるβ-クリプトキサンチンが豊富で、房ごと食べられるため、食物繊維も摂ることができます。

形がユニークなだけでなく、美味しさや栄養面でも優れた旬の不知火/デコポンを食べて、あと一息の冬を過ごしましょう。

※「デコポン®︎」は、JA熊本果実連の登録商標です

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