東京ディズニーランド・シー、キャストの「身だしなみ規定」を緩和。ジェンダーニュートラルな内容に変更。男性のロングヘアやタトゥーは?

東京ディズニーランドが開園した1983年から続く従業員の身だしなみ「ディズニールック」。規定の緩和の意図は?
東京ディズニーランドのワールドバザール
東京ディズニーランドのワールドバザール
Getty Images

東京ディズニーランド・シーを運営するオリエンタルランドは3月22日、「ディズニールック」と呼ばれるテーマパークで働く従業員(キャスト)の身だしなみに関する規定を4月1日より一部緩和することを発表した

日本での従業員の「身だしなみ規定」は、東京ディズニーランドが開園した1983年から続いているものだという。

4月からは、従業員が快適に働くための環境支援の1つの施策として、髪型や化粧などにおける男女別の記載を撤廃するなどジェンダーニュートラルな内容に変更する。また、一部のコスチュームにおいては、ユニセックス運用を段階的に導入し、キャスト自身が希望するコスチュームを着用できるという。

キャストの身だしなみ、変更点は?

東京ディズニーリゾート・キャスティングセンターの公式サイトによると、同リゾートでは、「東京ディズニーリゾートでは、ゲスト(お客様)に好感をもっていただける身だしなみを保つことを目的とした『ディズニールック』という基準を設けています」として、従業員の身だしなみに関し明確な規定を設けている。

今回「身だしなみ規定」の緩和でどのような変更点があるのか。

髪型や化粧などにおいては、性別に関わらずすべてのキャストを対象に同内容の規定で統一される。

ヘアスタイルについて

例えば、以前まで男性はロングヘアが禁止されていた。しかし身だしなみ規定の緩和後、男女ともに「いつも手入れの行き届いた、清潔感がある自然なヘアスタイルにしましょう。お辞儀をしたときや、風が吹いたときなどでも、髪で顔が隠れないように整えておきます」と統一されることになる。

タトゥー

公式サイトによると、以前は「いれずみ(タトゥー)をすることはできません」と記載されていたが、「いれずみ(タトゥー)はいかなる場所でも見えてはいけません」と記されている。

コスチューム

現在のコスチュームは男女兼用コスチュームと性別ごとに決められたものがある。それが、4月1日よりユニセックス運用が導入され、複数のアイテムやスタイルから選択可能となる。

「身だしなみ規定」の変更でオリエンタルランドは「『働きやすさ』の整備を通して『従業員の幸福』を実現し、多くの人々のためにハピネスを創造し続けてまいります」と記している。

また、「両パークには、パークやエリアにあわせたテーマ性や、業務を行う上での機能性を重視し、様々な種類のコスチュームが存在します。これらのテーマ性などは維持した上で、段階的に個々人の希望に応じて選択できるようになります」としている。

東京ディズニーランド・シーは2021年3月、園内アナウンスの「Ladies and Gentlemen, Boys and Girls」という文言を「Hello Everyone」などに変更するなど段階的にジェンダーニュートラルな表現を採用してきた。性別を特定しない文言に変更し、性的マイノリティーの来園者などにも配慮した表現となった。

東京ディズニーランドは2023年4月15日で開園40周年の節目を迎える。今回の「身だしなみ規定」の緩和はさらに、ダイバーシティやインクルージョンの取り組みを推進させ、従業員(キャスト)が快適に働くための大きな変化の一歩となる。

注目記事