男女同じ水着、200校が導入を検討。“ジェンダー・ニュートラル”のきっかけは「どの水着がいいかわからない」の声

「スクール水着は男女別のデザインが根強く、性差による違いが露わになるようなものが多いのが現状」(開発した企業)

男女同じデザインの水着が2023年度、200校以上の学校で導入を検討されている。「男らしさ」「女らしさ」を押し付けずに、中立的に捉えようとする「ジェンダー・ニュートラル」なデザインにより、水着の選びにくさの払拭につながるとして、注目を集めている。

男女デザインが同じジェンダーレス水着「男女共用セパレーツ水着」の本格販売が始まった
男女デザインが同じジェンダーレス水着「男女共用セパレーツ水着」の本格販売が始まった
フットマーク

開発したのは、体育用品を製造、販売するフットマーク(東京都墨田区)。

水着は上下が分かれている。長袖の上着は露出を抑え、紫外線対策にもなる。ボトムスはハーフパンツを採用し、体のラインが出にくい形状だ。色はコン(紺)のみ。

価格は6710〜7150円。4月からは個人向けにオンライン販売も始まっている。

テスト販売を実施していた2022年度は、東京都と兵庫県の公立中3校で、従来の水着と選択できる形で導入した。1学年の約半数の生徒が男女共用の水着を選んだケースもあったという。

水着の開発のきっかけは、数年前に「『どの水着を選んでいいか分からない』という性の悩みを持つ生徒(の客)がいるという販売店からの相談」だったという。

同社は「スクール水着は男女別のデザインが根強く、性差による違いがあらわになるものが多いのが現状」と指摘。その上で、「男女同じ形にすることで、性別による水着の選びにくさを払拭し、内面と外見で性の異なる生徒も迷わず選び着ることができる水着を開発した」とコメントしている。

性別にもとづく悩みだけでなく、肌の疾患や日焼けなどの懸念を解消することも期待できるとしている。

〈取材・文=金春喜 @chu_ni_kim / ハフポスト日本版〉

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