アメリカ・テキサス州のメキシコ湾岸のビーチに大量の魚の死骸が打ち上がり、見渡す限り魚で埋め尽くされた。魚はある3つの条件が重なったことで酸欠になり、死んだとみられている。
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ビーチがある「キンタナ・ビーチ・カウンティー・パーク」によると、魚が打ち上がったのは6月10日。大半がニシンの一種でメンヘーデンと呼ばれる海洋魚だという。
動画には、無数の魚の死骸が水面に浮かび、白っぽい塊のようになって漂っている様子が映っている。それが波によってビーチにどんどん打ち上げられていく。
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キンタナ・ビーチ・カウンティー・パークは、大量死の原因について「溶存酸素濃度が低下したため」と説明する。
水中に溶けている酸素量が減り、魚が酸欠になってしまった、ということだ。その背景として、
・水温上昇
・穏やかな海
・曇天
という、水中の酸素量を減らす条件が3つも重なり、今回の大量死につながったとみられる。
水中の酸素量は水温が低いほど多い。水温が21度を超えると、メンヘーデンは生きていくのに必要な酸素を得にくくなってしまうという。最高気温が30度を超す日が続いていた。浅瀬は水深のあるところよりも水が温まりやすいため、浅瀬を泳いでいた魚は低酸素症になってしまった。
また、酸素は風や波で海面がかき回されることで水中に入り込むが、約3週間にわたって現地の内海は非常に穏やかだった。植物プランクトンや藻類が光合成することによっても水中に酸素は供給されるが、曇りの日が多かったという。
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キンタナ・ビーチ・カウンティー・パークは2日かけて魚を処分した。