クイーン最大のヒット曲「ボヘミアン・ラプソディ」に幻のタイトルがあった。フレディ・マーキュリー直筆メモから明らかに

フレディ・マーキュリーの伝記映画のタイトルにもなった「ボヘミアン・ラプソディ」ですが、歌詞の草稿段階ではまったくちがっていたことがわかりました
歌うフレディ・マーキュリー
歌うフレディ・マーキュリー
Pete Still via Getty Images

クイーン最大のヒット曲「ボヘミアン・ラプソディ」は「モンゴリアン・ラプソディ」という曲名になっていたかもしれないーー。

数々のヒット曲を飛ばし、世界的に愛された伝説のブリティッシュロックバンド「クイーン」。そのフロントマン、フレディ・マーキュリーが「ボヘミアン・ラプソディ」の歌詞づくりの際に手書きしたメモがサザビーズによってオークションにかけられることになった。

直筆の歌詞の草稿は、サザビーズが2023年9月にオークションにかける、フレディが残した衣装や靴、サングラスなど1500点の遺品に含まれている。

ボヘミアン・ラプソディの歌詞の草稿は、今はもう存在しない「ブリティッシュ・ミッドランド・エアウェイズ」という航空会社の便箋15枚にわたって書かれている。そのうちの1枚に、鉛筆でいったん「モンゴリアン・ラプソディ」と書き、 モンゴリアンを横線で消し、ボヘミアンと書き直しているものがあった。

フレディ直筆の歌詞の草稿。便箋上部に「モンゴリアン・ラプソディー」と書いたものを横線で消し、「ボヘミアン」と書き直している
フレディ直筆の歌詞の草稿。便箋上部に「モンゴリアン・ラプソディー」と書いたものを横線で消し、「ボヘミアン」と書き直している
TIMOTHY A. CLARY via Getty Images

ほかにも「Mama, just killed a man/Put a gun against his head, pulled my trigger, now he’s dead(ママ、人を殺してしまった。頭に銃を突きつけて引き金を引いたら、彼は死んでしまった)」という今ではお馴染みの歌詞も、「Mama/There’s a war began/I’ve got to leave tonight/I’ve got to stand and fight(ママ、戦争が始まった。今夜行かなくちゃいけない。僕は立ち上がって闘わねば)」という案が出ていたようだ

ボヘミアン・ラプソディは1975年にリリースされた。曲の長さはシングルとしては型破りの約6分に及ぶ。著名な作詞家ティム・ライス氏は「初めて聴いたのは1975年の冬、運転中だったのですが、とてつもないなと感じました。ポップであり、ロックであると同時に、オペラ的であり、演劇的でもありました。今でも演奏されるたびに新しい発見や見方ができる曲の一つです」とサザビーズに語っている

チャリティー向けの音楽を除くと今でもイギリスで最も売れた曲だ。曲名をタイトルにとったフレディの伝記映画が2018年に公開されると、世界的にクイーン熱が再び高まった。主要な音楽配信チャネルでのボヘミアン・ラプソディの配信回数は16億回に上り、20世紀の音楽として最多を誇るという

直筆の歌詞草稿の落札予想価格は、80万〜120万ポンド(約1億4000万〜約2億1000万円)だという。

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