男性にも更年期障害があることを知ってますか?大半が誰にも打ち明けられずにいます

調査によると、7割超の人がその実態を知らず、症状があっても、不調を誰にも打ち明けられずにいることがわかりました。
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男性にも更年期障害があることを知っていますか?

加齢やストレスによって男性ホルモンであるテストステロンが低下すると、心身の調子や性機能が低下する「男性更年期障害」という病気になることがあります。

男性更年期障害が生活の質に及ぼす影響に反して、主な症状や治療法について知っている人はごくわずか。また、多くの中高年男性は不調に対処せず、周囲にも相談しないことがわかりました。

不調感じるも「更年期症状」の自覚なし

株式会社メディリードが全国の20~60代の男性5252人を対象に行った「男性更年期障害」についての調査。「名前のみ知っている」が44.3%、「全く知らない」が30.7%と、その実態を知らない人は7割超にのぼります。名前と症状だけでなく、主な治療法まで知っている人はわずか4.1%です。

<図1>「男性更年期症状」についてどの程度認知・理解しているか<単一回答>
メディリード提供
<図1>「男性更年期症状」についてどの程度認知・理解しているか<単一回答>

しかし、実際には更年期症状を感じている人は少なくありません。

更年期症状を精神・心理症状、身体症状、性機能関連症状の3つの観点で評価する「AMSスコア」を調査したところ、40代の39.0%、50代の44.7%、60代の45.3%が男性更年期に関連すると思われる症状を感じていることが明らかになりました。

<図2>AMS質問票を用いて自覚症状を確認<単一回答>
メディリード提供
<図2>AMS質問票を用いて自覚症状を確認<単一回答>

男性更年期によって不調が起こるのは特別なことではありません。にもかかわらず、認知が全く追い付いていないのが現状です。

症状が重度でも「何もしていない」人が半数

「症状を感じた後の行動」を尋ねる質問(複数回答)には、症状のある人の約半数が「何もしていない」と回答。AMSスコアが軽度の人だけでなく、中等度や重度など日常生活に支障が出ていると思われる人でも、半数近くが何も対処していませんでした。

中等度や重度では病院を受診した人も2割程度いますが、家族や友人など周囲に相談した人は、症状の程度にかかわらず1割未満にとどまります。自分の不調を誰にも打ち明けず、一人で抱え込みがちな中高年男性の傾向が見えてきます。

<図3>症状を感じた後の行動<複数回答>
メディリード提供
<図3>症状を感じた後の行動<複数回答>

更年期障害が生活に大きな影響を

不調を感じて病院を受診した409人のうち、更年期障害と診断された人、更年期障害の疑いがあると指摘された人は12.7%。軽度では11.2%、中等度では16.2%、重度では24.6%が診断を受けた、または疑いがあると言われています。

<図4>病院での診断状況<単一回答>病院に受診した人ベース
メディリード提供
<図4>病院での診断状況<単一回答>病院に受診した人ベース

さらに、更年期障害と診断された人、更年期障害の疑いがあると指摘された人に生活への影響について聞いたところ、「仕事」には86.5%、「家庭生活(家事・育児・介護)」には73.1%、「人間関係(パートナー・同僚・知人)」には69.2%の人が影響を感じているという結果に。

<図5>仕事・家庭生活・人間関係への影響 更年期障害と診断または疑いがある人(n=52)<ぞれぞれ単一回答>
メディリード提供
<図5>仕事・家庭生活・人間関係への影響 更年期障害と診断または疑いがある人(n=52)<ぞれぞれ単一回答>

男性更年期の症状が生活の質を下げるのは明らかですが、当事者である男性の多くがいまだにその存在を認知していません。

自分一人で不調を抱え込む人が適切な治療につながれるよう、当事者はもちろん、周囲の人に対する啓発も必要ではないでしょうか。