米スポーツ誌が疑惑の記事削除。架空の記者名とAI顔写真を掲載の疑い

報道によると、SI誌のサイト上に掲載された「記者」の中には、同サイト以外で存在が確認できない人物が数人おり、「記者の顔写真」のいくつかは、AIが生成した写真を販売するウェブサイトからのものであると発覚した。
「記者」の中には、SI誌サイト以外で存在が確認できない人物が数人いたという
「記者」の中には、SI誌サイト以外で存在が確認できない人物が数人いたという
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アメリカのスポーツ雑誌Sports Illustrated(スポーツ・イラストレイテッド、以下SI誌)のウェブサイトが、AIで作成した記事を、架空の記者名とAIが作成した顔写真と共に掲載していた疑惑が持たれている。米メディアFuturismが報じた。

この疑惑についてFuturismがSI誌に問い合わせた後、記事はすぐ削除されたという。

報道によると、SI誌のサイト上に掲載された「記者」の中には、同サイト以外で存在が確認できない人物が数人おり、「記者の顔写真」のいくつかは、AIが生成した写真を販売するウェブサイトからのものであると発覚した。

SI誌のコンテンツ作成に関わる匿名の関係者はFuturismに対し「彼ら(会社)がどれだけ否定しようとも、そのコンテンツは間違いなくAIに生成されたものです」と述べている。

FuturismがSI誌に問い合わせたところ、その「記者」たちはウェブサイトから消えたという。

報道後にSI誌は声明を発表。当該記事は、第三者企業AdVon Commerceから使用許可を得た製品レビュー記事で、人間によって書かれたとAdVonが「保証」したと述べた。その一方、SI誌はコンテンツを削除し、AdVonとの契約を終了した。

SI誌は声明でこうも説明している。

「AdVonによれば、彼らのライター、エディター、リサーチャーがコンテンツを制作しており、すべてのコンテンツにおいて、盗作やAI生成を探知するソフトウェアを使用するというポリシーを遵守しています。しかし、AdVonがプライバシー保護のため、一部の記事でライターのペンネームや偽名を使用していたことが分かりました。これは容認できない行為であり、内部調査を行う間、コンテンツを削除し、パートナーシップを終了しました」

2022年にAIが社会に広まり始めて以降、ニュースメディアは記事作成においてAIの実験を行なってきた。新聞社Gannettは、高校スポーツの記事を書くためにAIを使用したが、間違いや低質な文章がソーシャルメディアで話題となり、AIの実験を中断した。

ハフポストUS版の記事を翻訳・編集しました。

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