ファストファッション大手のZARAが広告キャンペーンの中止に追い込まれた。イスラエルから攻撃を受けているパレスチナ・ガザ地区の状況を思い起こさせるとして、ZARA商品の不買運動が起きていた。
ABCによると、問題になったのはZARAが公開した写真。白い布で包まれたマネキンを抱えたモデルや、地面に転がっている胸像などが写っていた。両腕のないマネキンもあった。
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イスラエルーパレスチナ問題をめぐっては、イスラム組織ハマスが10月7日にイスラエルに大規模攻撃を行い、同国では1200人以上が亡くなった。イスラエルはパレスチナ自治区ガザ地区への報復を続けており、これまでに少なくとも医療従事者250人を含む1万5900人のパレスチナ人が命を落としている。
ガザの情勢には国際的にも懸念が高まっており、ZARAのキャンペーンに使われた写真が公開されると、白布で包まれたガザ地区の遺体の写真に似ていると批判の声が上がった。SNSではZARA商品の不買運動を呼びかけるコメントも多く見られた。
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ZARAは写真を削除し、12月12日に経緯を説明し、「誤解を招いたことを反省する」という声明を公式Instagramに投稿した。
今回のキャンペーンは7月に考案され、イスラエルーパレスチナ問題が激化する以前の9月に撮影されたものだとしている。「芸術家のアトリエにある未完の彫刻作品を撮影したもので、芸術的な文脈で手づくりの衣服を紹介することを目的に制作したもの」と説明している。
「残念なことに、一部のお客様がこれらの写真に不快感を持たれました。制作側の意図とはまったく異なるものをご覧になられてしまいました」とし、「ZARAは誤解を招いたことを反省し、改めて皆様に深い敬意を払うようにいたします」と述べている。
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