「人が最悪になる時」ってどんな瞬間?イチローさんの答えを胸に刻みたい。自己肯定感は「僕にとっては気持ち悪い言葉」の真意

「僕は、自分を肯定するのはものすごく抵抗があります」。その理由がめっちゃ頷ける
イチローさん
イチローさん
Steph Chambers via Getty Images

シアトル・マリナーズの球団会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさんが12月21日、オリックスグループの公式インスタグラムで自身2度目のインスタライブを実施した。

「悩める大人の相談ライブ『イチ問一答』」と題して行われたライブ配信。事前に寄せられた質問に対しイチローさんは自らの考えを交えながら回答。質問はキャリアや恋愛・結婚、人間関係まで多岐にわたった。

その中で「自己肯定感」について持論を展開。その言葉に多くの反響が寄せられた。

「まず、仕事なんかうまくいかない」

イチローさんはインスタライブで、共に配信に出演した俳優でモデルの堀田茜さんから「自己肯定感という言葉を目にすることが多いと思うのですが、私も仕事がうまくいかなかったときに、自分を否定してしまう瞬間がある。自分を否定せず、前向きに生きるにはどうしたらいいでしょうか?」と質問を受けた。

これに対し、イチローさんは「まず、仕事なんかうまくいかないですよ」と断言し、前提とする自身の考えを示した。

「基本的にはうまくいかないけど、感触として全然できてないけど、見てる人にとってそれ(仕事によるアウトプット)が作品としていいものになってる。そういうものだと思うんですよ」とした。

自己肯定感「僕にとっては気持ち悪い言葉」。その真意は?

イチローさんは続けて、「僕、自己肯定感という言葉を耳にしたことがないです。今回(初めて)耳にしました。僕のイメージですよ」と前置きした上で、「僕にとっては気持ち悪い言葉です」とまず率直な印象を話した。

「(そもそも)自己肯定感って、いい言葉なんですか?」と堀田さんに投げかけた上で、「僕は、自分を肯定するのはものすごく抵抗があります」とした。

堀田さんが「否定してばかりいると、(気分やメンタルが)落ちてしまうじゃないですか」と述べると、イチローさんは同意。続けて、「でも、否定じゃないんですよね。僕の場合はどこかに疑問符をつけてます。自分のやったこと・やろうとすることに常に疑問符をつけてます。そこが(肯定することの)反対にあってほしいなと思いました」と自身の考えを伝えた。

「人が最悪になる時」ってどんな瞬間?イチローさんの答えが秀逸

イチローさんは「自己肯定感が強い人って、ストレスフリーで楽しそうに仕事してるって感じですか?」と堀田さんに質問し改めてイメージを確認。

続けて、「それってどうなんですかね?良いなぁと思うけど、その人たちは人としての厚みが生まれるんだろうか」と疑問符をつけた。

その理由を次のように語った。

「自己肯定感の強い人たちが、おそらく今の風潮では否定されないじゃないですか。明かにダメなのに否定されない。ということは、自分でも振り返らない、良いことしか考えない。第三者からも厳しい言葉を言われない。人間は基本的に弱い生き物なので、僕は堕落すると思いますけどね」

最後にイチローさんは、「人が最悪になる時って、自分が偉いと思った時。最悪っていうか、魅力的じゃない。そんな人が生まれるんじゃないかって思います」と自身の考えを伝えて質問に対する答えを締めた。

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