迎賓館赤坂離宮、「撮影NG」エリアが期間限定で撮影可能に。館長「分からないなら、やってみれば?」

豪華なシャンデリアが飾られた「羽衣の間」で、試験的に写真撮影が可能になります。
羽衣の間(2017年撮影)
羽衣の間(2017年撮影)
AFP=時事

迎賓館赤坂離宮(東京・港区)は、開館50周年の節目に合わせ、撮影禁止となっている本館の一部の撮影を期間限定で可能にすると発表した。「試験的に実施することにより写真撮影を可能とした場合の問題点を洗い出し、その解決方法の検討に役立てるための取組です」と説明している。

撮影できる場所はどこ?いつから?

撮影が可能となるのは本館の「羽衣の間」。それ以外のエリアではカメラやスマートフォン等の撮影機器はカバンなどに入れるよう、公式サイトで呼びかけている。撮影は静止画のみで、動画撮影はできない。

撮影できる期間は2024年1月6日(土)~1月16日(火)で、事前予約は不要。国公賓の接遇や混雑状況などによって取りやめる場合もあるという。

「どれほど滞留するのかは正直なところよく分かりません」

館長は12月28日、迎賓館の公式Xで、今回の取り組みの背景を次のように明かした

「迎賓館では参観者の滞留のおそれなどを理由に館内での撮影をご遠慮いただいています…が、実際にどれほど滞留するのかは正直なところよく分かりません
< 分からないなら、やってみれば?
ということで、来年1月6日から16日までの間、試行的に羽衣の間で写真撮影を解禁します」

今回の試験的な取り組みを通じて、館内で写真撮影を許可した際に生じる問題点を把握し、解決方法に加え「他のスペースでの実施可能性」も探る、と説明している。

投稿には、豪華なシャンデリアなどが飾られた「羽衣の間」の写真が添えられた。館長の報告に対し、X上では「溜息が出るほど美しい」「奇跡的にこの期間に行く予定にしているのですごく嬉しいです」「ルールを守って、是非利用させていただきたいです」などのコメントが寄せられている。

6年の大規模工事を経て開館

迎賓館赤坂離宮は、1909年に東宮御所として建設された宮殿建築物。第二次世界大戦後、皇室の財産だった赤坂離宮の建物と敷地は国に移管され、庁舎として使用された。

その後、外国の賓客を迎える機会が増えたことなどを背景に、赤坂離宮を改修して迎賓館とすることが決定した。大規模な改修工事は1968年にスタート。6年後の1974年3月に開館した。2009年には、創建当時の建造物である迎賓館赤坂離宮の本館や主庭噴水池、主庭階段などが国宝に指定された。

今回撮影可能となる「羽衣の間」は、謡曲『羽衣』の一節を描いた絵画が天井に描かれていることから、この名前が付けられた。 クリスタルガラスを主体とした同館最大級のシャンデリアは見どころの一つとなっている。

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