「ライブを止めてしまったら申し訳ない」とは考えないで。打首獄門同好会が伝える「ライブ中の痴漢対処」に共感の声

もしライブ中に痴漢にあったら...?周りの人に気を遣って声をあげづらい可能性があることに配慮したメッセージや、具体的な助けの求め方の提案がつづられています。
打首獄門同好会のメンバー。左から、junkoさん、河本あす香さん、大沢敦史さん
打首獄門同好会のメンバー。左から、junkoさん、河本あす香さん、大沢敦史さん
時事通信

ロックバンド・打首獄門同好会が1月14日、公式Xに「ライブ中の痴漢対策」について投稿した。その内容に、多くの反響が寄せられている。

「幸い、ウチで最近そういう話は聞きませんが」という書き出しで始まる投稿では、ライブ中に痴漢にあったら、ライブを止めて良いので助けを求めて欲しいとつづった。

「ライブを止めてしまったら申し訳ない」とか、ひとっつも考えなくて良いです。

だってそれライブハウスの閉ざされた空間内で犯罪行為が発生しているってことですよ。まぎれもなく緊急事態です。全然止めて良いです。

そして、ライブ中に痴漢にあった際に声をあげづらい理由になると考えられる「曲が減ってしまったら申し訳ない」「テンション下がってしまったら申し訳ない」という感情に寄り添うように、下記のようにつづった。

「曲が減ってしまったら申し訳ない」とか、考えなくて良いです。対処後に減らさずやります。

「テンション下がってしまったら申し訳ない」とか、考えなくて良いです。対処後にブチ上げます。

スマホを上に掲げてほしい

この投稿が反響を集めている理由の一つは、ライブ中に痴漢にあった際の助けの求め方が具体的に提案されている点だ。

「ハンドサインの案をSNSで見かけましたが、日常内ならまだしもライブハウスの状況だと周りに気付いてもらえるかどうか、ちょっと微妙な気がしています」と懸念を示した上で、ライブハウスではスマホを上に掲げてほしいと呼びかけている。

打首獄門同好会のライブは原則撮影禁止のため、フロアの頭上にスマホの画面が見えることは通常はないという。スマホの画面が目に入ればスタッフも注意を向けて駆け寄ることができるため、まずは助けを求められる人の目を引いてほしいと強調した。

一方、この方法は撮影可のバンドアーティストだと通用しないため、あくまで同バンドのライブでは有効だと注記している。

照会依頼があればカメラ映像も提供

また、同バンドのライブ中は撮影用にハンディのカメラ2台と、ステージ中央で360度カメラを常に回しているため、公演中にどの位置にどんな顔の人がいたのか、どのように移動してどの人と会話していたかの大概は追うことができるという。「手元を写した証拠とまではいかずとも、人物の特定や行動パターンの割り出しには十分有効かと思われます」と述べ、捜査目的での照会依頼があった場合には、迅速に対応する所存だと伝えた。

もちろん普段はそんな使い方はしませんし、する理由もありませんが、もし警察や会場・イベント主催者等より捜査目的での照会依頼があった場合には、迅速にこれに対応する所存です。 繰り返しますが、全力を惜しみません。

最後に、「こうやって定期的に発信して対応意思を皆で共有しておくことも、抑止に繋がると思いますのでね。 心に留めておいてください」「助けを求めるのに遠慮とか一切しなくていいからね」というメッセージで投稿を締め括った。

この投稿には「演者にこう言ってもらえると心強いし、抑止になるから本当に素晴らしいと思います」「こうやって公式が声上げて、しかも対応方法まで考えてくれるなんて…素晴らし過ぎる!」など、多くのコメントが寄せられている。

打首獄門同好会によるこの投稿に先立ち、ロックバンド・ヤバイTシャツ屋さんのメンバーであるこやまたくやさんが、自身のバンドのライブ中に発生した痴漢事件について、Xを通じて発信していた。

今回の投稿は、ヤバイTシャツ屋さんのライブ中に起きた痴漢事件を受けてつづられたメッセージとみられる。

こやまさんは、打首獄門同好会の投稿を引用し「『何かあったらスマホを掲げる』というアイデア、賢い・・・。簡易的だけど画像を作ったので、お守り代わりに保存しておいて!」と、赤い背景に黄色の文字で「SOS」と記された画像をポストしている。

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