
「ガザの飢餓に終止符を、心を共に私たちは行動します」
コスメブランドのLUSHは9月12日、日本の全78店舗のウィンドウや店内に、パレスチナ・ガザ地区に連帯するメッセージを掲げた。
ガザでは、イスラエル軍による攻撃や支援物資の搬入制限により、飢餓や栄養不良が急速に悪化している。
またユニセフによると、ガザで急性栄養失調と診断された子どもの割合は、7月の8.3%から8月には13.5%に増加した。

休戦を求める声が世界中で高まる中、イギリスのLUSHは9月3日、ガザの苦しみを共有し、愛と連帯を示すために、全店舗とウェブサイト、製造拠点を丸一日閉鎖。
ショップのウィンドウに「STOP STARVING GAZA – WE ARE CLOSED IN SOLIDARITY(ガザの飢餓に終止符を――連帯のために本日は休業します)」というメッセージを表示した。

このイギリスのアクションを受けて日本でも12日、「ガザで起きている現実を遠い場所の出来事として傍観せず、ガザへの連帯の意を表す」ために全ショップにメッセージを掲げた。
イギリスのように店舗の閉鎖ではなく、営業を続けながらメッセージを伝えるというアプローチを選んだのは、ガザを取り巻く政府の対応や状況の違いによるものだという。

そのため、イギリスのLUSHは納税をしている企業として政府に対し声を上げるために、店舗を閉鎖した。
「ラッシュが1日分の売上を失うということは、イギリス政府もまた、ラッシュとお客様からの1日分の税収を失うことを意味します。ラッシュ休業が発するメッセージに政府が耳を傾け、UKからの武器輸出停止を含め、死と破壊を今すぐ停止するための更なる行動を実現することを願っています」とプレスリリースに書かれている。
一方、日本政府はガザへの人道支援をしており、イギリスのように直接的な武器輸出はしていない。
さらに、イギリスではガザに関して多くの人が意見を持ち、市民運動が行われている一方で、日本ではまだガザの状況が広く「自分ごと」として捉えられていない状況があると感じたことも、ショップ閉鎖ではなく営業してガザの問題を伝えることを選択した理由だという。
ラッシュは店舗に掲げたメッセージが「道ゆく人の足を止め、会話が生まれ、日本社会において様々なレベルでの行動のきっかけとなることを強く願います」とリリースで述べている。

この店舗のメッセージと併せて、LUSHはチャリティ石鹸の「サマーフィーリングスライスソープ」の販売を12日から再開した。
スイカの形をしたこのソープは、2024年8月から約1年間販売され、売り上げはガザ地区とヨルダン川西岸地区に暮らす子供たちのメンタルヘルスサービスをサポートする支援団体に寄付された。
再販では、売上げはガザで負傷して義肢を必要とする大人や子どもたちへの支援をはじめとする医療サービスに携わる団体の活動に寄付される。
LUSH広報は「現地での人道支援が阻止される中、日本にいると何かしたいけど何をしたら良いのかわからないという声をたくさん聞きます。アクションの仕方は様々ですが、その一つになることができれば幸いです」とハフポスト日本版にコメントした。
