
「必要な圧力を加え、不処罰を終わらせ、国際法違反についてイスラエルの指導者たちに責任を取らせなければならない」━。
世界中の著名なユダヤ人たちが、イスラエルによるガザでの行為はジェノサイドに当たるとして、国際社会に対してイスラエルへの制裁を求める書簡を公開した。
書簡は、国連のアントニオ・グテーレス事務総長や、各国の首脳らに宛てたもの。ガザやヨルダン川西岸、東エルサレムにおけるイスラエルの行動に対し、責任を追及するよう求める内容で、元イスラエル政府関係者やアカデミー賞受賞者、作家など450人以上が賛同している。
英紙ガーディアンによると、賛同者には、元イスラエル和平交渉担当のダニエル・レヴィさん、イギリスの作家マイケル・ローゼンさん、カナダの作家ナオミ・クラインさんのほか、映画「関心領域」の監督でアカデミー賞国際長編映画賞を受賞したジョナサン・グレイザーさん、エミー賞に選ばれた俳優のハンナ・アインバインダーさん、ピューリッツァー賞の受賞者ベンジャミン・モーザーさんなどが名を連ねている。
「パレスチナ人への集団的懲罰を決定的に終わらせる」
書簡の冒頭では、停戦合意に触れた上で、「この停戦が脆弱であることに疑いの余地はありません」として「停戦は終わりではなく、始まりでなければなりません。占領や恒久的な紛争への無関心という政治的現実に戻る危険性はあまりにも大きい」と警鐘を鳴らした。
また、「(イスラエルが)責任を否定し、従来の壊れた免責の手法を再び持ち出そうとする試みは既に始まっていますが、それを容認してはいけません」とも指摘し、こう続けた。
「すべての人の命を保護するために制定された多くの法律、憲章、条約が、(ナチスドイツによる)ホロコーストを受けて作られたことを、私たちは忘れていません。これらの保護措置は、イスラエルによって容赦なく侵害され続けています。
イスラエル指導部の深刻な国際法違反に対する責任追及が必要です。パレスチナ人に対するイスラエル政府の集団的懲罰を決定的に終わらせ、双方の人々の平和を追求するために、あらゆる手段を尽くす時です」
「途方もない規模の殺戮と破壊、強制的な追放、生命維持に不可欠な物資の意図的な遮断、そしてヨルダン川西岸で続く犯罪行為は、終わらせなければならず、二度と繰り返されてはなりません」
また書簡では、パレスチナ人に対するこれらの犯罪行為について、イスラエルの指導者たちが「ユダヤ人の運命の表れであり、ユダヤ人全体の名のもとに行われている」と世界に向けて主張してきたとして非難し、「イスラエル政府は私たちの代弁者ではない」と強調した。
「この停戦が占領とアパルトヘイトの終結につながるまで、私たちが休むことはありません」とつづり、次のような措置を国際社会に求めた。
・国際司法裁判所(ICJ)の決定を尊重し、順守すること。国際刑事裁判所(ICC)が発行した逮捕状を執行すること。これら2つの裁判所の活動に対する不当な圧力や干渉に抵抗すること。
・イスラエルによるパレスチナ人への国際法違反や継続的な犯罪行為へのいかなる共犯行為も拒否すること。(武器や関連する物資・サービスの提供を含む)
・ガザのすべてのパレスチナ人に対し、支援物資が確実に届けられるようにすること。また、イスラエル軍がガザから完全に撤退すること。
・平和と正義を求めて連帯する人々を貶めるために用いられる、「反ユダヤ主義」という偽りの非難を否定すること。
イスラエルは、停戦が発効した2025年10月10日以降もガザへの攻撃を続け、100人近くのパレスチナ人を殺害し、230人を負傷させたと報じられている。
