熱海で土石流にのまれたバス車両が奇跡の復活。「少しずつ前へ進もう!」のステッカーと共に

東海バスの被災車両が修理工場で整備されて、12月15日から運行再開。「廃車になると思っていた」と驚く声が上がっています。
7月4日に土石流にのみこまれた東海バス車両(左)が12月15日に運行再開した(右)
7月4日に土石流にのみこまれた東海バス車両(左)が12月15日に運行再開した(右)
時事通信社/ハマケンさん提供

熱海市内で土石流にのまれた路線バスの車両が、5カ月ぶりに奇跡の復活を果たした。12月15日から運行を再開。ボディの前面には「少しずつ前へ進もう!」とステッカーが貼られている。

Twitterユーザーのハマケンさんが熱海駅前で撮影した写真を投稿して話題に。「絶対、廃車になると思っていた」と驚く声や、「5カ月あまりでの復帰おめでとうございます」と祝福する声が相次いでいる。

■「復興への気運を高めるひとつになれば幸い」とバス会社

復活を果たしたのは、株式会社東海バスが運行する「伊豆230あ1565号車」だ。7月3日、静岡県熱海市の伊豆山地区を回送中、土石流にのみこまれた。この土砂災害では死者・行方不明者が27人にのぼっている。

大規模な土石流が発生した伊豆山地区で土砂に埋もれたバス=7月4日午前、静岡県熱海市
大規模な土石流が発生した伊豆山地区で土砂に埋もれたバス=7月4日午前、静岡県熱海市
時事通信社

時事通信社が撮影した事故当時の写真によると、このバスは車体の下半分が土砂に埋まり、動けない状態になっていた。掘り起こされたあとレッカー車で移動されていた。

大規模な土石流が発生した伊豆山地区で、土砂から掘り出されレッカー移動するバス=7月5日、静岡県熱海市
大規模な土石流が発生した伊豆山地区で、土砂から掘り出されレッカー移動するバス=7月5日、静岡県熱海市
時事通信社

東海バスは公式サイトで、「関係者のご尽力により乗務員ともに難を脱する」ことができたと発表。被災車両も修理工場での整備の結果、運行再開が決まった。東海バスは以下のようにコメントしている

「熱海伊豆山地区の復旧と被災された皆さまの生活が1日も早く平穏に復することをお祈り申し上げるとともに、本車両の運行再開が、熱海伊豆山地区の復興への気運を高めるひとつになれば幸いです」

この車両には、前面ボディおよび回送時の行き先表示器に「少しずつ前へ進もう!」という文字が掲げられているという。

■東海バスによる運行再開の告知ツイート

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