フィリピンに打ち上げられたクジラの死骸 40kg分のプラスチックを飲み込んでいた

「今すぐ汚染の習慣をやめなければ、環境中に排出されるプラスチックゴミの量は2030年までに倍増する見込み」とWWF
プラスチック袋で作られたクジラ イメージ画像
プラスチック袋で作られたクジラ イメージ画像
the-lightwriter via Getty Images

3月初めにフィリピンの海岸に打ち上げられたクジラの死骸は、なんと40kg分ものプラスチックを胃の中に収めていた。死因は飢餓と脱水だとみられている。

地元の自然博物館の創設者で館長のダレル・ブラッチリー氏は、地域の農務省から「コンポステラバレー州マビニの浜に約4.7mにも及ぶクジラが打ち上げられた」との連絡を受け、16日に死骸を回収した、とハフポストUS版に話した。

「死ぬ前に血を吐き続けていた」とみられるクジラ。解剖の結果、死因は自然死ではないことを知ったという。

「胃を調べると、このクジラがプラスチックの摂取により死んだと分かりました」とブラッチリーは述べた。「プラスチックの量の多さは予期せぬものでした。ほぼ40キロの米袋、レジ袋、バナナ農園の袋や一般的なプラスチック製の袋です。米袋は全部で16枚もありました」

「クジラ類の動物は海から直接水分を摂らずに、食べるものから摂るのです。つまり死因は食物と水分両方の不足ということです」とブラッチリーは説明した。

今年のWWF(世界自然保護基金)のレポートによると、「人類が今すぐ汚染の習慣をやめなければ、環境中に排出されるプラスチックゴミの量は2030年までに倍増する見込み。それによる最も顕著な影響は海洋にもたらされるだろう」という。

WWFは「プラスチック利用の増加は廃棄物管理の限界を圧倒したため、プラスチックの海洋流入は2030年まで毎年900万トンを超えるだろう」と推測する。

ブラッチリーが調査したようなクジラによる摂取だけの問題ではない。プラスチックは野生動物の絡まり被害や生息地の荒廃の要因にもなっている。

ハフポストUS版の記事を翻訳、編集しました。

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