「犬をひもに繋いで」と求めた黒人男性を、白人女性が警察に通報。「アフリカ系アメリカ人の男に脅されています」

人種差別的な行動に、アメリカ社会で大きな怒りが起きています

アメリカ・ニューヨークにあるセントラルパークで、犬をひもにつなぐように求めた黒人の男性を、白人の女性が警察に通報して物議を醸している。

女性は警察に、彼女と彼女の犬が「アフリカ系アメリカ人の男」によって命の危険にさらされている、と繰り返し訴えた。 

この時の様子をうつした動画が5月25日にSNSに投稿されると、女性の行動が「人種差別的」だと大きな怒りが起きた。

Oh, when Karens take a walk with their dogs off leash in the famous Bramble in NY’s Central Park, where it is clearly posted on signs that dogs MUST be leashed at all times, and someone like my brother (an avid birder) politely asks her to put her dog on the leash. pic.twitter.com/3YnzuATsDm

— Melody Cooper (@melodyMcooper) May 25, 2020

動画を投稿したのは、女性に通報された男性のクリスチャン・クーパー氏と姉妹のメロディ・クーパー氏だ。

クリスチャン・クーパー氏によると、彼らは「ランブル」と呼ばれる、セントラルパーク内の犬をひもにつながなければいけないエリアにいた。

「女性の犬が植物を荒らしているのを見て、ひもにつなぐように求めた」と、クーパー氏はFacebookで説明する。

しかし女性は求めに応じず、クリスチャン・クーパー氏に対して録画を止めるよう要求。

「近づかないで下さい」と話すクーパー氏に「警察に電話してアフリカ系アメリカ人の男が、私を殺そうとしていると言いますから」と、叫んでいる。

背景にあるのは人種差別

動画には、彼女がクーパー氏から暴力や脅しを受ける場面は記録されていない。

女性は警察に電話をかけ、「アフリカ系アメリカ人の男が私を録画しており、私と私の犬を脅している」と繰り返し訴えた。

クリスチャン・クーパー氏が役員を務めている野鳥保護団体「全米オーデュボン協会」によると、クーパー氏は野鳥観察のためにセントラルパークを訪れていた

アメリカでは、黒人の男性が警察などに不当に殺害される事件が後をたたない。

最近も、公園をジョギングしていたアマッド・アーバリーさんや、警察官に膝で首を押さえつけられたジョージ・フロイドさんが亡くなったばかりだ。

ハフポストUS版の記者で黒人のズィーバ・ブレイ氏は、女性が「アフリカ系アメリカ人の男性」という言葉を繰り返していることから、「実際に身体的な危険を感じていなかったことがわかる」と述べる

むしろこの出来事の背景には人種差別的な感情があるのだろう、とブレイ氏は説明する。

「彼女は、黒人の男性の暴力を訴えることが武器になると理解した上で、白人女性としての自分の特権を行使したのでしょう」

会社が解雇を通告

その後、女性の名前がエイミー・クーパー氏(クリスチャン・クーパー氏との関係はない)であることが判明した。 

彼女を雇用していた資産運用会社フランクリン・テンプルトンは、この出来事について社内調査を実施。同氏を即日解雇することにしたと26日にTwitterで発表した。

解雇について「我々はどんな人種差別も容認しません」と、同社は説明している。

Following our internal review of the incident in Central Park yesterday, we have made the decision to terminate the employee involved, effective immediately. We do not tolerate racism of any kind at Franklin Templeton.

— Franklin Templeton (@FTI_US) May 26, 2020

大きな非難が起きた後、エイミー・クーパー氏はNBCの取材で、自分の行動は許されるべきものではなかった、とクリスチャン・クーパー氏と家族に謝罪した。

謝罪の中で、「自分にとって警察は身を守ってくれる存在だったが、この国にはその贅沢を受けられない人がいる人たちがたくさんいるということに気付かされた」とも述べている。

クリスチャン・クーパー氏はCNNに、「彼女の謝罪が心からのもので、今後彼女がランブルで犬をひもにつなぐのであれば、今回のことはもう問題ではない」と、謝罪を受け入れる姿勢を伝えた。

オーデュボン協会シニアバイスプレジデントのレベッカ・サンダースさんは、屋外がすべての人にとって安全で歓迎する場所であるべきだと訴えている

「黒人のアメリカ人たちは、根拠のない疑惑や論争、そして暴力といった屋外での危険に日々直面しています」

「私たちは、人種差別的な感情や行動、そして黒人の人たちの人間性や権利や自由を損なうシステムを強く非難します」

「クリスチャン・クーパー氏の身に危険が及ばなかったことに、私たちは感謝します。彼はニューヨーク市の野鳥を皆さんと一緒に楽しむことを、大きな喜びにしています」

ハフポストUS版の下記の記事を翻訳・編集しました。

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