日本代表の守護神・川島永嗣が語る本田圭佑「ビッグクラブなら批判は当然」

ニュージーランド戦が迫るなか、守護神の川島永嗣が口を開いた。香川と本田がクラブで苦戦し、その影響が心配されるが、川島はそれを一蹴した。彼が語ったのはエースへの信頼だ。

ニュージーランド戦が迫るなか、守護神の川島永嗣が口を開いた。香川と本田がクラブで苦戦し、その影響が心配されるが、川島はそれを一蹴した。彼が語ったのはエースへの信頼だ。

■「キャプテンがいつもしっかりしてるので、いないと寂しいです」

ニュージーランド戦(東京・国立)を翌日に控えた4日、守護神・川島永嗣(リエージュ)が満を持して帰国。日本代表チームに合流した。試合開始まで30時間余りしかない状況だが、タフな男はそんな超過密日程を全く気にしていないという。

「コンディション自体は向こうでも調子いいですし、ハードなスケジュールですけど、常に自分としては120%以上の気持ちでやりたい。ホントに強豪国とやるくらいの気持ちでのぞみたいと思います」と彼は改めて強い意気込みを示した。

ブラジル本大会まで残された国際試合は今回と5月27日のキプロス戦(埼玉)、直前合宿地での2試合を含めて4試合しかない。すでにカウントダウン状態に突入しつつあるといっていい。

そんな状況にもかかわらず、キャプテン・長谷部誠や内田篤人が長期離脱を強いられ、柿谷曜一朗、今野泰幸まで体調不良に見舞われてしまった。長谷部とは常に連絡を取り合っている川島としては、親友の分までチームを引っ張らないといけないという思いは人一倍強い。

「自分はいつも後ろからやってることをいつも通りやっていきたいと思いますけど、キャプテンがいつもしっかりしてるので、いないと寂しいです。

ただ、このチームの良さは、そういう時でもチームがまとまっていることだと思うし、マコ(長谷部)がいない中でも中心になれる選手はホントにたくさんいる。経験ある選手もいますし、みんなでまた一丸となって乗り切っていけたらいいかなと思います」

■「(本田や香川の)経験が日本サッカーにとって財産になる」

「やっぱりみんなが試合に出てるのが一番だと思いますけど、日本人の選手がマンチェスター・ユナイテッドに挑戦するなんて前代未聞のこと。真司のいるユナイテッドはそれだけのビッククラブの中のビッククラブだと思う。

圭佑もしかりで、ミランで10番背負うなんて今までの日本の選手が成し遂げたことはなかった。そういうところに彼らは挑戦してるんだから、その経験は日本代表チームにとってもプラスになるし、他の選手にとっても刺激になる。試合に出てる出てない関係なしに、そういった彼らの経験はチームにとって確実にプラスになっていくと思います」

とりわけ、若い頃から何度もイタリアへ赴いて言葉を学び、喜怒哀楽の激しいメディアと触れ合い、タフなイタリアサッカーに身を投じてきた川島は、後輩・本田が置かれた環境の厳しさを誰よりもよく理解している。

「あれだけビッククラブでやってれば当然、批判されることもある。彼は彼でモスクワにいる時から全てをイメージしていただろうし、今の状況も彼なら確実に超えていく。そういうことも含めていろんな経験が日本サッカーにとって財産になる。

圭佑がやってるように、日本でやってる選手たちも常に世界を基準にしたプレーを目指す気持ちを持つことが一番大事なのかなと思います」と川島は日本のエースである本田のタフなメンタリティとフットボーラーとしての高い能力に太鼓判を押した。

■「1ついい区切りをつけて、次に向かいたい」

長友佑都や岡崎慎司といった岡田ジャパン時代からの盟友たちも「圭佑なら必ず結果を出す」とみな揃って信じている。そういう本物の仲間たちをプレーすることで、本田はもちろん、川島自身もブラジル本大会に向けての希望を見出すに違いない。

2010年南アフリカW杯の時は、大会直前のイングランド戦から正GKの座を射止め、ベスト16の立役者となった川島。いわば前回大会はチャンスが向こうから急に転がりくる形で世界の大舞台に立った。

けれども、ザックジャパンの4年間はコンスタントにゴールマウスを守り続け、チームの絶対的守護神に君臨してきた。所属クラブもリールセ、スタンダール・リエージュと変わり、虎視眈々とゴールを狙ってくる海外選手のスタイルも完全に把握した。そういう意味で、彼にとって今度のブラジル大会は全く意味合いの違うW杯になる。

「(2020年の)五輪もありますし、国立の風情とかいろんな歴史もあります。そういうのを含めて今回が最後になってしまうのは寂しいですけど、新しい歴史がまた生まれてくると思う。ここで1ついい区切りをつけて、次に向かいたいと思います」

聖地・国立への思いは川島も持っている。W杯へ向けていいスタートを切るには絶好の場所だろう。

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