上原浩治もトレードの対象か 現地メディアが「レッドソックスGMがベテラン放出に動く」と報じる

今季ア・リーグ東地区4位とまさかの失速を続けるレッドソックスが来季以降のチーム再建のために守護神、上原浩治投手をトレードに出す可能性が浮上している。ESPNが「トレード・デッドライン・プレビュー」というトレード特集を行ったもの。
BOSTON, MA - JULY 1: A.J. Pierzynski #40 confers with Koji Uehara #19 of the Boston Red Sox in the ninth inning against the Chicago Cubs at Fenway Park on July 1, 2014 in Boston, Massachusetts. (Photo by Jim Rogash/Getty Images)
BOSTON, MA - JULY 1: A.J. Pierzynski #40 confers with Koji Uehara #19 of the Boston Red Sox in the ninth inning against the Chicago Cubs at Fenway Park on July 1, 2014 in Boston, Massachusetts. (Photo by Jim Rogash/Getty Images)
Jim Rogash via Getty Images

今季ア・リーグ東地区4位とまさかの失速を続けるレッドソックスが来季以降のチーム再建のために守護神、上原浩治投手をトレードに出す可能性が浮上している。ESPNが「トレード・デッドライン・プレビュー」というトレード特集を行ったもの。

■外野手の補強を必要としているレッドソックス

今季ア・リーグ東地区4位とまさかの失速を続けるレッドソックスが来季以降のチーム再建のために守護神、上原浩治投手をトレードに出す可能性が浮上している。ESPNが「トレード・デッドライン・プレビュー」というトレード特集を行ったもの。

昨季のワールドシリーズ王者は現在38勝47敗で借金9。地区4位に沈んでいる。特集ではチームの現状を「いつ弾けるか分からない危険な状況」と定義している。

最大の補強ポイントは「2014年のメジャーで最悪な外野陣」だという。ア・リーグでのプレーオフ争いをもう一度演じるためには優れた打者が必要とされている。特段相手の左腕を攻略しているわけではないが、右投手に対して大きな問題を抱えていると指摘した上で、ベン・チェリントンGMが現在のロースター強化に重きを置くとすれば、故障中のシェーン・ビクトリーノ外野手と不調のジャッキー・ブラッドリー・ジュニアに代わる左打者を補強するだろうと予測している。

補強候補にはパドレスのウィル・ベナブル外野手、ダイヤモンドバックスのジェラルド・パーラ外野手が挙げられている。特集では「もしも、この後、数週間で白星を重ねられない場合には、チェリントンGMはボストンの選手を売りに出すことも考えるだろう。GMは頑なにこのチームは2014年シーズンでタイトルを争うことができると主張しているが」と伝えている。

■メジャー最高のクローザーの去就はいかに?

さらに特集ではレッドソックスのフロント陣の今後の動きを分析。「レッドソックスは外野手の補強に小さな動きを見せるが、現状打線が湿りっぱなしである以上、ア・リーグ東地区でプレーオフ進出圏まで浮上することはできない。チェリントンはチームのベテラン放出に動く。2007年のサイ・ヤング投手に輝いたジェイク・ピービー、今季レンジャーズから加入したA・J・ピアジンスキー捕手、左腕フェリックス・ドゥブロン、スティーブン・ドリュー遊撃手、そして、コウジ ウエハラですら全員どこかに取引に出されることになる」とし、絶対守護神も今月中に電撃トレードに出される可能性を指摘している。

昨年ワールドシリーズ制覇に貢献した上原は今季38試合登板。3勝2敗18セーブで防御率は1・40と不振の王者において孤軍奮闘しているが、打撃陣が低調でリードする機会が少ない今季のレッドソックスにおいて、もしかすると"宝"の持ち腐れなのかもしれない。

また、記事ではジョン・レスター、ジョン・ラッキー両投手は放出しないとしつつ、レッドソックス側が実績あるベテランと引き換えに若手選手を獲得し、3Aでプレーする才能あるプロスペクトをメジャーで抜擢するためにロースターに空き枠を作るだろうと予測。「2015年シーズンに巻き返すためにギアを上げる」と分析している。レッドソックスが今季中のタイトル争いに見切りをつけ、若手を育成しながら来年の覇権奪回を目指すことを選択するとすれば、それは極めて現実的な方策と言えるだろう。

ワールドシリーズ制覇を目指す成績上位の中で、ブルペンに不安を抱えるチームにとっては圧倒的な制球力と切れ味抜群のスプリットを武器にする上原は喉から手が出るほど欲しい戦力。レッドソックスもチームで愛される守護神を放出する対価として、評価の高い複数のプロスペクトが獲得可能となるかもしれない。自身2年連続のワールドシリーズ制覇の請負人としてチームを去るのか、あるいは、今後もレッドソックスの一員としてチームの上位進出に貢献するのか。メジャー最高のクローザーの去就には熱い視線が注がれている。

【了】

フルカウント編集部●文 text by Full-Count

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(2014年7月5日「フルカウント」より転載)

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