統一地方選挙後、初の市議会質問をどのように作ったか?

国会中継で「首相のお考えをお聞かせください」と質問している議員をテレビで見たことがあるだろう。あれの市議会版だ。今回はこの一般質問に焦点を当てて説明する。

4月の統一地方選挙後、初の市議会質問が終わった。

ほとんどの市議会では3・6・9・12月の4回、議会の会議が定期的に開かれる。この定期的に収集される議会の会議のことを定例会と言う。今回は6月に開かれたので6月定例会だ。6月11日から7月1日まで開かれた。

この定例会に集まって何をしているかというと大きく3つある。一般質問と議案質疑、常任委員会である。一般質問では、議員一人ひとりが市長に対して政策を提言したり、市長の考えに対して不明な点があれば問いを投げかけて説明を求めたりすることが行われる。

国会中継で「首相のお考えをお聞かせください」と質問している議員をテレビで見たことがあるだろう。あれの市議会版だ。今回はこの一般質問に焦点を当てて説明する。

私は4つのテーマで質問した。

1)財政状態について

2)企業誘致について

3)ハコモノ行政について

4)資源ごみの回収頻度について

テーマは自由に設定できるのだが、事前に議会事務局に何を質問するのか書面で伝えなくてはいけない。これを通告という。通告していないテーマの質問はできないし、市側も答弁する必要はない。「通告がありませんので、お答えできません」となる。

テーマを通告すると、そのテーマに関係する市の担当者から電話がかかってくる。我が市の場合、財政状況なら総務部行政経営課等、企業誘致なら生活産業部産業振興課等、ハコモノ行政なら生涯学習課(私は新図書館建設に関する質問をしたため)、資源ごみなら生活産業部環境課である。

なぜ電話がかかってくるかというと、議員がどういった質問をするかということをヒアリングするためである。例えば今回の私が行った質問の中でメインとなるテーマは3)ハコモノ行政である。

我が市では現図書館のリニューアルが求められているが、財政的に厳しいので多額の建設費を使うよりは今ある公共施設を有効活用した図書館分館の設置はどうだろうかという質問をした。

そして具体的にわが市に建っているすいとぴあ江南というタワーの2・3Fと6Fのスカイラウンジを使って「近隣地区ナンバーワンの景観を誇る図書館」というキャッチコピーをつけて提案した。それが下のイメージ図である。

上記のような提案をします、と市の担当者に伝えると、後日、担当者との打ち合わせがある。そこで市側の見解が述べられる。すなわち、私の質問に対する答弁が前もって示されるのである。

ちなみにこのすいとぴあ江南の図書館分館案に対する事前に示された答弁は以下である。

『現在、新図書館については、第2次江南市生涯学習基本計画の中で、「今後の図書館のあり方を引き続き、様々な角度から調査研究します」となっております。只今、議員からご提案いただきました、現図書館を中心にしながら、市内の公共的施設を有効に活用し、分館あるいは分室機能を持たせるとの内容は、今後、図書館のあり方を考えていくうえで、参考とさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。』

これを議員と市側との「すり合わせ」という。

このすり合わせが良いか悪いかというと、実際、新人議員として感じたのは「良い」ということだ。確かに事前に質問と答弁をすり合わせているので、市議会当日に行われる一般質問はセリフの決まった演劇に過ぎないという意見がある。私もそう思っていた。

しかし、すり合わせをしないで当日ガチンコで質問をしても市側は答えることができない。議員の質問が難しければ難しいほど市側も事前調査が必要だからだ。ゆえに市側も「また調査してお答えします」という答弁になってしまう。これは3・6・9・12月の1年に4回しか質問の機会がない議員にとっても不幸だ。

今回、私は上述した市側の答弁で問題ないと思ったのでこの答弁の上に立ってさらに質問を深堀するということは行わなかったが、議員によっては事前に示された答弁に対してさらに深い質問を投げかけ、そしてその質問に対して市側も事前に調査して答弁を作成し議員に示す。

結果、当日にガチンコで質問や答弁するよりは上質な展開となる。残念がら私は1回目の事前に示された答弁に対してさらに深い質問を投げかけることをしなかったため思い描いたような一般質問にはならなかったが次回からは今回の反省を生かした質問や提案ができればと思っている。

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