5月6日、東京レインボープライドパレードに参加してきました。
今や渋谷の名物イベントとなり、毎年参加していると、街を歩く人たちのパレードに対する視線が温かくなっていることを実感します。SOGIハラを無くす一番の近道は、当事者の友達をつくることです。大盛況となったパレードは、その絶好の機会になったと思います。
パレードには、LGBT問題への取り組みを始めた多くの地方自治体(その先頭を走っているのが渋谷区です)、企業、大学のグループなどが参加していました。一方で、国の動きは依然として鈍い。国会議員として責任を感じています。
今年は、例年を上回る多くの国会議員が、与野党を超えてパレードに参加していました。オリンピック憲章には、「性的指向による差別の禁止」が明記されています。このパレードで弾みをつけて、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに、LGBT差別解消に向けた法案を何としても成立させたいと思います。
あまり知られていないのですが、実はLGBTを巡っては、数年前から、内外逆差別の問題が生じていることを、多くの皆さんに知ってもらいたいと思います。昨日のパレードの中でも、私にそのことを指摘してきた人がいました。
昨年、河野外務大臣のイニシアティブで、天皇誕生日の祝賀レセプションや外務省行事において、法律婚・事実婚あるいは同性、異性にかかわらず、配偶者またはパートナーとして接遇されることになりました。大臣の発言を受けて、総理も「首脳の同性婚相手がパートナーとして来日された場合は、総理主催の夕食会にはお越しいただければと考えている」と答弁しています。
このことによって、先進国の中で遅れているわが国のLGBT問題への対応が前進しました。率直に評価したいと思います。その一方で、外国人と日本人との間で、内外逆差別が生じています。
平成25年10月18日の法務省の通達(法務省管在第5357号)により,外国で有効に同性婚をしている者については人道的観点から「特定活動」による入国・在留資格を認められるようになりました。現在、同性カップルを伴ってわが国に入国している大使館員、米軍人、ビジネスマンが数多く存在しています。
それに伴って、外国人の同性配偶者は、住民票に世帯主の「縁故者」と表示されるようになりました。妻・夫などの続柄の表記にはなっていませんが、外国人の同性カップルは世帯として法的に認められたのです。要するに外面だけは、良くなったのです。
一方で、外国人と海外で同性婚を行った日本人については、対応が異なります。そうした日本人がわが国に帰国する場合、外国人の同性配偶者が「日本人の配偶者等」に当たらず、「特定活動」による入国・在留資格も認められていません。
そのため、同性配偶者が日本国内で留学するなど、別の在留資格を得ない限り、わが国に滞在することができません。
仮に、別の在留資格を得てわが国に滞在することができた場合も、住民票には世帯主の「縁故者」ではなく「同居人」と表記されます。ちなみに、日本人同士の同性カップルについても同様ですから、外国人の同性婚カップルに限って、特別に世帯として認められていることになります。
海外で活躍する日本人ビジネスマンの中には、配偶者のわが国での滞在が認めらないことが原因で、帰国を躊躇する例が出てきています。こうした例は、今後も増加することが予想され、経済のグローバル化の観点からも見過ごせない状況です。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目の前に控えて、LGBT差別解消法の制定は正念場を迎えています。並行して、最低限、理不尽な内外逆差別については、早急に解消しなければならないと考えています。